開幕一軍から始まったシーズン。即戦力ルーキーの姿は、リーグ優勝がかかった最終戦にもあった。175cmの身長ながら侮ることなかれ。足だけでなく、しっかりとしたスイングで打球をスタンドインさせるパワーが一軍での存在価値を高めていた。 取材・構成=菅原梨恵 写真=湯浅芳昭、BBM 体を第一に1年間
激動の2022年シーズンが終わりを告げた。ソフトバンクは最後の最後でリーグ優勝を逃すことにはなったが、藤本博史監督の下、ようやく世代交代が進みつつあるのを感じさせた。野村勇も今後チームをけん引していくであろう期待の新戦力の1人だ。ルーキーイヤーは新型コロナウイルス感染により一時的な離脱はあったものの、97試合に出場。スタメン起用に代走、守備固めなど、万能ぶりを見せつけた。 ――ドラフト会議からもうじき1年がたとうとしています。この1年はどんな1年でしたか。
野村勇 終わってみたら、すごく早くて怒涛の1年だったなと感じています。社会人からプロに入って、一気に人生が変わって。本当に野球漬けの生活。あと、プライベートなところでは、子どもも生まれて。いろいろと大変な1年でもありましたし、本当に初めてのことばっかりであっという間でした。
――プロに入る前に想像していた1年目と比べてみて、実際はどうでしたか。
野村勇 即戦力で入ってきているということで、1年目からずっと一軍に帯同して戦力になると思っていました。これに関しては、コロナ以外では離脱はしていないので、思っていたとおりに一軍で、力になれているのかなという思いもあったりはしますね。あとは、思っていた以上にホームランも打てている。ただ、盗塁は逆に、自分が思っていたよりもそんなにできていないという……。
――盗塁ができない原因は?
野村勇 やっぱりキャッチャーも肩が強いですし、コントロールもいい。そう簡単には走れません。自分が「このスタートだったらセーフになれる」というタイミングでスタートしても、アウトになったりしたので。スタート自体は切ろうと思えば切れるんですけど、これで行ってもアウトになるなというレベルが上がってきている。アマチュア時代と同じタイミングで走っていたら、セーフにはなりません。自分の中でいいと思っていてもアウトになるので、その分、めちゃくちゃいいスタートを切らないとダメだと思って、なかなか(スタートが)切れなくなっているという感じですかね。
――特にアマチュア時代との違いを感じている、と。
野村勇 全然違いますね。ピッチャーのけん制、クイックとかも速いですし、キャッチャーは肩が強くて、コントロールもいい。やっぱりいいところに投げられたら、どんなにいいスタートを切っていてもアウトになってしまうので、そこはレベルが高いなと思いました。だから、自分のレベルを上げて、目の前のバッテリーを超えていかないといけない。
――6月27日に新型コロナの陽性判定を受けて出場選手登録を抹消されましたが、それ以外では抹消経験はなし。1年目から一軍でしっかりとプレーできていた要因は何だと思いますか。
野村勇 ケガをしたら一発でアウトなので、まずは第一にケガをしない。体は強いほうだったので、ケガなくシーズンを終えられました。あとは、バッティングはどうしても調子の波があって、不調のときは試合に出られなかったり、不調過ぎたら二軍で再調整ということにもなる。ですが、僕の場合は・・・
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