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NEW WAVE INTERVIEW 新時代の主役たち

阪神・石井大智インタビュー 学びの点が線になった「一軍で1年間投げるためには、投球の質を上げないといけない」

 

2023年シーズンも頂点を目指して――。エネルギッシュな“若い力”にスポットライトを当てる連載。第2回は、15年ぶりに阪神に復帰した岡田彰布監督の下で、中継ぎとして大きな飛躍が期待される3年目右腕に迫る。昨年以上の成長を自分で感じながら腕を振り続けている。
取材・構成=椎屋博幸 写真=宮原和也

阪神・石井大智


踏む位置を三塁から一塁へ


 右の上手投げながらシンカーを得意とする。身長は175cmしかないが、本格的な上手投げ。1年目から開幕一軍入りした実力は持ち合わせている。しかし、2年連続で18試合登板と物足りなさがあった。そこを打破すべく、マウンドでさまざまな工夫を重ねている。

――突然ですが、プレートの踏む位置が一塁側になりました。

石井 ピッチャーになってからずっと三塁側を踏んでいました。上背はないのですが、頭の上から投げ下ろすタイプなので、右打者の外角は三塁を踏むほうが、角度が出るかな、と思っていました。しかし、カーブやスライダーの精度が悪くて、そこをどうするかと考えていた中で一塁側を踏んでみようとなりました。やはり一軍で1年間投げるためには、投球の質を上げないといけないですから。

――マウンドでの立った感覚は大きく変わると思います。

石井 真っすぐの感覚が変わりました。三塁側から外角へ投げるときは引っかけ気味に投げる感覚でしたが、一塁側から投げると、そのまま腕を振り下ろせば、外角にそのまま投げられる感覚になりましたし、カーブの精度も上がりました。

――一塁側にしようと思ったきっかけは何かあったのでしょうか。

石井 シュート系を持ち球にしているピッチャーを見ていると一塁側を踏んでいるケースが多かった。そういうのを見ながら試してみました。

――実際に一塁側に立ったら景色は大きく変わるのではないですか。

石井 まったく違います。表現は難しいのですが、ストライクゾーンが広く見えるというか、打者と捕手が立っている空間が若干広く見える感じです。物理的には変わらないですが(笑)

――さらに、一塁側でもつま先のみがプレートに掛かっている感じです。

石井 これは本当に悩んだんです。中継ぎをやるとマウンドはいつも先に使用されています。特に左投手で一塁側を踏んでいるピッチャーだと結構削れています。僕自身、投げるときにかかとに体重が乗ってしまうと、いいボールが投げられないので、つま先に体重が行くように投げていきます。つまり削れている部分をどううまく自分の投げ方とマッチさせるかと考えたときに、端っこに行き着きました。

――だから、投げるときに右足のつま先を少し上げ、踏み込むようにしてから左を上げるんですね。

石井 右足の母指球にしっかり体重を感じて足を上げていきたいので、そうなります。後ろ体重になると僕の投球ではまったくいいボールが投げられないので。青柳(青柳晃洋)さんも結構、一塁側のギリギリを使います。僕は中継ぎなので、前に投げたピッチャーの踏んだ場所を確認しながら、足場を作っています。

――ということは、足場を固めて左足を上げたときにしっかり立つという意識が強い。

石井 そこが一番大事だと思っています。ホームへ投げていくときに・・・

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