ドラフト1位ルーキーだった昨年は開幕スタメンを経験するなど、76試合に出場。高卒1年目の捕手としては異例の抜てきだったと言えるが、本人は満足していない。もっと上に、行けるはず。プロの厳しさを実感したからこそ、2年目はさらなる高みを目指す。飛躍のシーズンが、間もなく始まる。 取材・構成=落合修一 写真=高塩隆 インタビュー写真=斎藤豊 満足感よりも悔しさ
昨年のシーズン開幕戦は、「高卒ルーキー捕手が開幕スタメン」と話題になった松川虎生。4月には、当時20歳の佐々木朗希と当時18歳の松川のバッテリーが、史上最年少の完全試合を達成した。経験が必要とされる捕手というポジションで、高卒ルーキーが最初から一軍で使われるのは「プロ野球界の常識」からすると異例とも言えた。しかし、そんな旧来の「常識」を打ち破るかのような新しい風を吹かせたのが、この松川である。2年目のシーズンとなる開幕を目前にして、松川はどのように考えているのだろうか。 ――間もなく開幕です。現時点で、今年はどういうシーズンにしようという意気込みですか。
松川 1年目だった昨年はいいスタートを切れたと思うのですが、1年間をトータルで考えると悔しいシーズンでした。今年もいいスタートを切りながら、それを最後までキープして、あとで振り返ったときに「いいシーズンだった」と思えるようにしたいですね。
――昨年は「高校を出て1年目の捕手」として見れば、一軍に76試合出場というのはかなりすごいと思うのですが、それでも自身としては満足していないわけですね。
松川 悔しい部分のほうが大きかったですね。プロのボールをとらえきれなかったというか、打線の中の1つのピースとして、ハマらなかった。そこが悔しかったんですよ。
――昨年の打撃成績は185打数32安打、打率.173。打者として、物足りなかったわけですか。
松川 悔しかったですね。キャッチャーとしての守りの面でも盗塁阻止率(.237)だったり、ブロッキングの面だったり、課題を感じた面が多かったです。それは昨年のシーズン中から実感していたことで、その課題を克服することを意識した練習を今年の自主トレから考えてやってきています。今のところ、それがいい形になってここまで来ていると思っていますね。
――その課題は人から言われたわけではなく、自分で見つけて「もっと上達したい」と自分から思ったわけですね。
松川 はい。そうですね。
――昨年は佐々木朗希投手との「若きバッテリー」が注目を浴びましたが、WBCはどのように見ていましたか。
松川 「すごいな」と思いながら見ていました。やはり特別なピッチャーですよね。
――日本の代表として戦っている選手たちを見ていると、松川選手も侍ジャパンに選ばれる選手になりたいと刺激になるのでは。
松川 はい。まずはしっかりとチームに貢献して、レギュラーになって143試合に出場したいです。それが何年後になるか分かりませんが、チームのレギュラーとなってからはその先のレベルもあるでしょうから、期待に応えられるような選手になっていきたいと思っています。
――打撃面において、今年の具体的な課題はありますか。
松川 とにかく自分のポイントでしっかりと打てるように、ですね。そのためには・・・
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