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NEW WAVE INTERVIEW 新時代の主役たち

楽天・内星龍インタビュー 思い描く未来へ「圧倒的な結果と球を追い求めていきたい」

 

勢いあるヤングプレーヤーを紹介する連載の第2回は、柔らかな笑顔にまだあどけなさが残る好青年の登場だ。昨季はリリーバーとしてチームのために腕を振ったが、新指揮官が就任した今季は心機一転、役割を変えて挑む。4月に22歳の誕生日を迎える、まだまだ伸び盛りの右腕は、大きな夢を抱きながら、しっかりと足元を見つめている。
取材・構成=阿部ちはる 写真=井沢雄一郎、BBM

11年ぶりのリーグ制覇、日本一へ。沖縄・金武町にてとびきりのファイティングポーズ


体と会話しながら


 プロ3年目の昨季に一軍デビューを飾ると、長身から投げ下ろすキレのある直球と強気のピッチングでリリーフとして53試合に登板した。すると今季からは先発に配置転換することに。楽天の絶対的守護神・松井裕樹(現パドレス)のメジャー挑戦にともない、エース・則本昂大が抑えに回ったことで則本が稼いできたイニング数、勝利数をこれからは新しい投手陣でカバーしなければならない。その一人に選ばれたのが、内星龍だ。

――昨年はプロ初登板を果たし、1年間一軍に帯同しました。その中で感じた課題とオフに取り組んできたことを教えてください。

 コントロールの精度と三振を取る球が必要だなとすごく感じました。また、調子がいいときはいい球がいくので抑えられたのですが、思いどおりにいかないときのほうが多かった。そういったところをできるだけ少なくしていかなくてはいけないですし、(崩れても)早く調子を戻せるように、そこを課題にオフシーズンは取り組みました。

――具体的にどういったことに取り組んできたのでしょうか。

 フォーム自体の安定性や再現性の部分です。機械のように毎球同じ動作をすれば同じ球がいくのは間違いないですが、人間なのでそういうわけにはいかない。だからこそ自分の体と会話をしながらどういった状態なのかをより理解することに努めました。僕はいつも重心を大事にしているので、重心の移動やどこに足の重心を置けば自分は心地いいのかをずっと探していました。それを1年間忘れずにできるように、体に染みつけられるよう取り組んできました。オフが終わるギリギリまでは迷うことも多かったのですが、キャンプ前にいい感覚が出だしたのでシーズンまでにもっと引き出せるように頑張っていきます。

――なぜ重心が大事だと感じたのでしょうか。

 力まないことをずっとテーマにしているのですが、やはり重心が少しでもズレると力んで投げてしまうというか、力まないと投げられないんです。体の重心が自分の真ん中にストンと降りてくるところがあるのですが、足をそこに置かないといい球がいかない。自分の感覚と実際のボールを確認しながら何度も繰り返す作業でした。ただその感覚や重心の位置は毎日違うので、今日はどこなのかをできるだけ早く見つけられるように今は頑張っています。

――今季から先発に配置転換することになりましたが、オフの取り組みでこれまでと変えた部分はありますか。

 特に変えてはいないです。実は1年目のシーズンが終わってから、オフの取り組みは難易度こそ変わっていますが、内容はほとんど変わっていません。目指しているところに行くための目標をクリアして、難易度を上げて、また新たな課題ができるのでそこをクリアしていく感じです。先ほどの体重移動の部分もそのひとつです。

――続けてきたことが成果となり昨季の一軍デビューにつながったのですね。

 はい。特に大きく変えたことはないですし、これを変えて急激によくなったということもなくて。2年目の途中くらいから投球フォームも一切変えていないですし、トレーニングも変えていないんです。

――2年目の夏以降から実戦登板をコンスタントに重ねていきました。

 ケガの影響もあり、しっかり投げられるようになったのがそのころでした。2年目の途中に先発から中継ぎに変わったのですが・・・

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