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佐藤道郎コラム 第4回「野村克也監督との出会い」

 

大阪球場での入団発表。右が野村監督


べ社入社騒動の真実?


 やっと最初の話を説明できるね。俺がベースボール・マガジン社に入っていたかも、という話さ。

 あれは日大での4年春のリーグ戦が終わったくらいだったのかな。オヤジが「後輩の池田と会ったから、頼んでおいたぞ。お前、ベースボール・マガジン社に就職しろ」と言い出した。最初に言ったとおり、池田恒雄会長(故人)がオヤジの中等学校の後輩で、時々会うことがあったらしいね。

 オヤジには「いや、俺はプロに入るからいいよ」と言ったけど、ピンと来てなかったみたい。オヤジは俺の試合なんて見に来ないし、当時の東都は、結果だって新聞に載らないからね。

 そのあと池田会長が、俺のことを調べたらドラフトの上位候補にいるというのが分かって、オヤジに伝えてくれた。それでまたオヤジがすごく喜んだ。勉強できないし、どうしようもないヤツと思っていたんだろうけど、それがプロ野球のドラフト上位候補だからね。

 そう言えば、おたくの会長はタバコが嫌いだったよね。これはプロに入ってからだけど、何かのときに、そちらの会社に行ってあいさつしたことがあるんだ。会長は、「君のお父さんは僕の野球部の先輩だった。サードで華麗な守備でねえ」とか言ってくれたんだけど、灰皿がなかったんで、「すみません、灰皿がないんですけど」とお願いした。

 すぐ会長が「おい、灰皿ないぞ」と近くの人に言って、持ってきてもらったんだけど、そのとき、同じ部屋にいた知り合いの社員の人が、こっちにやたらウインクしてくるんだ。あとで聞いたら「うちはタバコ吸ってクビになったヤツもいるんだ。前代未聞だぞ」って(笑)。

 いやはや、知らぬがなんとか。その節は失礼しました(笑)。

 プロはどの球団でもよかった。別に・・・

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パ・リーグ初代セーブ王・佐藤道郎の球人履歴書。

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