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佐藤道郎コラム 第13回「トレーナーはなぜ若造の俺を診てくれなかったのか?」

 

引退試合で客席に向かい深々と頭を下げる杉浦


肩が重いなら風呂に行け?


 昔の野球と言ってもグラウンドでやることは変わらんけど、ちょっと離れると結構、違うよね。マスコミだって、今は女性の記者もたくさんいるし、コロナの前なら、テレビの女子アナウンサーが、きれいな格好をしてグラウンドで練習を見てたりしてたでしょ。でも、昔はそんなのあり得なかった。

 相撲の土俵と同じで、女性記者がグラウンドに入ったら怒鳴られていたからね。ベンチの中ならいいんだけど、選手には話し掛けちゃダメで、監督ならいいとかもあった。若い選手が女性相手に鼻の下を伸ばすのを心配したのかもしれんけど、なんて言うのかな……結構、年配のお姉さんばかりだったから、そんなに心配しなくていいのになと思っていた。いや、すみません、皆さん、きれいな方ばかりでした(笑)。

 1年目はマッサージも受けたことない。というか、してもらえなかった。トレーナーが少なくて一軍と二軍で1人ずつだったからね。ルーキー時代、高知のキャンプでトレーナー室に行くと、ベテランがタバコ吸って並んでいた。新人だから、そんなに早く練習をあがるわけにはいかないから、大抵、7、8人は並んでいたかな。一人20分はかかるから、もう無理ってあきらめるしかない。

 たまたまちょっと早く着いて、きょうはお願いしても大丈夫そうだなと思っても、こんな会話になるんだ。

「どうした、東京のボンボン」

 俺は東京出身で大学出の新人だから必ずそう言ってくる。で、俺が

「肩が重いんです」

 と言うと・・・

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パ・リーグ初代セーブ王・佐藤道郎の球人履歴書。

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