週刊ベースボールONLINE

生中生無 死中生有

佐藤道郎コラム 第37回「なぜ星野仙さんの罰金が高かったか教えようか」

 

91年に13勝を挙げた郭源治。96年限りで退団し、台湾でプレーした


倍々の罰金!


 前も話したとおり、俺は仙さん(星野仙一)の5年契約の最後、1991年の1年だけドラゴンズの投手コーチをした。ウワサには聞いていたから仙さんの厳しさにはそんなに驚かなかったけど、びっくりしたのが罰金の高さだよ。門限破りとか試合中の決め事をしなかったときの罰金がすげえ高かった。俺はもともと罰金って好きじゃないから、一度、「監督、罰金が高過ぎると思うんですけど」と言ったことがある。

 そしたら、こんな話をしてくれた。

「ミチな、以前、錦3丁目(名古屋の繁華街)の店に俺が友達と食事に行ったら、そこにウチの選手が、そいつのスポンサーと一緒にいたんや。知っている人だったんで、一応あいさつしたあと、そのスポンサーが俺に聞こえるように、『おい、お前、門限破ったらいくらなんや』って選手に言った。選手が『1万円です』と言ったら、『じゃあ10回分払っておけ』って、いきなり選手に10万円を渡したんや。それを見てカッときた。周りにほかのお客さんもいたし、何も言わんかったけど、あのとき、罰金は簡単に払える金額じゃダメにしようと思ったんや」

 それから星野さんは実際、罰金を倍々にした。要は1回目は1万円で、2回目が2万円、3回目が4万円、4回目が8万円。だから10回やったら……いくらになるんだ(笑)。まあ、とんでもない額になるよね。

 仙さんは、「払える罰金なら、どうせこの程度と思ってすぐやる。だから厳しくするんや。そうしたらしなくなる」って言ってた。俺も「なるほどな」と思った。確かにそうだよね。まあ・・・

この続きはプレミアムサービス
登録でご覧になれます。

まずは体験!登録後7日間無料

登録すると、2万本以上のすべての特集・インタビュー・コラムが読み放題となります。

佐藤道郎コラム 生中生無 死中生有

佐藤道郎コラム 生中生無 死中生有

パ・リーグ初代セーブ王・佐藤道郎の球人履歴書。

関連情報

新着 野球コラム

アクセス数ランキング

注目数ランキング