最近の高校野球は派手なストッキングに目がいってしまう。コロナ禍で苦闘した鍛治舍巧監督率いる県岐阜商高の黄色。「C2Cブルー」と呼ばれる独特の鮮やかな青がまぶしい山梨学院高。日大三島高や聖望学園高、下関国際高などの赤が目立つ縞とツートン。どうしても派手な色に吸い込まれるように目がいってしまう。どちらかというとストッキングは紺が多い高校野球の中で、時々出てくる極彩色は、しばらく頭の中にも余韻が残る。そんな中、今回の夏の甲子園で、想定外の色の採用で、「えっ」と意表を突かれたのが長崎・海星高のグレーだ。極彩色の逆をいく無彩色。これはこれで、逆に目を引く。どのような色でも使えるこの時代に、なんであえて無彩色のグレーなのか？

　長崎・海星高に聞いてみた。

　すると、答えは単純だった。

「熱中症対策です」

　白のスパイクシューズを熱中症対策で採用したあと・・・