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堀内恒夫の悪太郎の遺言状

堀内恒夫コラム 第3回「ズラリと並んだスイカ 三角の頂点だけを食べた犯人は……」

 

話題の宝庫? 長嶋茂雄[左]。筆者も「ミスターの話ならまだまだありますよ」とのことだ


給料を1000円札で


 担当者に聞いたら、前回の長嶋茂雄さんとの想い出話が好評だったらしいな。調子に乗るわけじゃないが、コラムの仕事は読者に喜んでもらってナンボだからね。今回も長嶋さんとの懐かしいエピソードをいくつかご紹介していこう。

 あれは俺の3年目だから1968年の話だ。今もそうだが、プロ野球選手の球団との契約期間は、2月から11月の10カ月。年棒は、その10カ月で割っていただく。でもそうなると、12月と1月の生活が困るっていう選手がいてさ(笑)。2カ月分くらい残しとけって話なんだけど、結局そうもいかないらしく、12等分にして、毎月もらうことになった。

 ジャイアンツの給料日は毎月25日。昔は、現金を給料袋に入れて、手渡しでいただいた。受け取る場所は、後楽園球場だったり、多摩川のグラウンドだったり。25日に選手がいる場所が受け取り場所となった。

 そのとき選手全員の給料袋は、1ダースのボール入れ、つまり、段ボール箱に入っている。その蓋をトレー代わりにして、給料袋の厚みがバッチリ分かる方向で、全員分が並んで置いてあるわけさ。

 マネジャーが管理していて、個々にもらいに行くんだけど、そのトレーの中に、分厚い給料袋が3つある。言わずもがな、長嶋茂雄さん、王貞治さん、金田正一さん。この3名ですよ。あまりの分厚さに封筒が立っていたほど!

 この3つの給料袋は誰のものか、選手間では暗黙の了解だった。

 俺の給料は入団3年目で・・・

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堀内恒夫の悪太郎の一刀両断!

堀内恒夫の悪太郎の一刀両断!

「悪太郎」こと巨人V9のエース、堀内恒夫氏の連載コラム。野球人生の集大成。

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