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堀内恒夫の悪太郎の遺言状

堀内恒夫コラム 第20回「ちょっと趣向を変えてのホロ酔い野球談議。後輩・横山に弱点を指摘されちゃった?」

 

横山氏の店「立山」で。横山氏[左]は筆者の巨人時代の後輩で75年にキャリアハイの8勝を挙げた


心配な投げ込み不足


 今日のコラムはちょっと趣向を変えて、巨人軍の後輩・横山忠夫が営むうどん屋「立山」にて、横山とのいつもの野球談議をご紹介したい。

横山 ホリさん、この間、コラムで自分のこと書いてくれてありがとうございました。細かく覚えてくれていてビックリしましたよ。
※関連記事【堀内恒夫コラム「石橋を壊れるほどたたいて渡る後輩へ。順番は間違えるなよ」

堀内 記憶力が良くないといいピッチャーにはなれません。

横山 自分なんか、負けて悔しいとか、そういうことしか覚えていないですからね(笑)。ホリさん、今年も沖縄行けなくて残念でしたね。

堀内 まあ、この時期、年寄りは静かにしておかないと。無理して周りに迷惑をかけたらいけないからな。でもさ、テレビでキャンプを見ていて思うけど、今の子は本当に投げ込まないよね。前回のコラムにも書いたけど、これに関しては非常に心配していますよ。練習の10球が試合の1球だからね。

横山 昔は中3日、4日で放っていたじゃないですか。しかも、ホリさんのようなエース級は完投するわけですよね。それでローテーションを回していく。今は、中6日とか7日とか空くわけですよね。しかも、投げても6〜7回で100球程度。俺らからすると、毎回休み肩で投げているような感じがするんですよね。そういうのが、逆に故障しやすいような気もするんですけど、どうですかね。

堀内 投げていないから、ということでしょ。球数を投げるってことはさ、それだけ体力もいるんだよね。それで制球力もつくし、投げ方も落ち着いてくる。フォームが安定してくる。

横山 試合になると緊張して、どうしても力が入っちゃうじゃないですか。自分みたいに、もともと力むやつは特にそうなると思うんですけど、力んで投げて疲れてきてようやく分かるんですよ。「これ、力抜かなきゃダメだ。抜くところは抜く、入れるところは入れるってしないと、たくさん投げられない」って。そうやって体で覚えましたよ。今はそこまでやらないから、いつも肩が軽めの状態で投げているんじゃないですかね。

堀内 そうだな。軽めの状態が、ベストだと思っているのかもしれんな。のべつ幕なしに投げろとは言わんけどさ。一番うまくなる時期っていうのがある。プロの世界に入って、ようやくプロ野球に慣れてきてダーッとうまくなる。その時期には投げないと。今、1年目のピッチャーと10年目のピッチャーが同じように投げているでしょ。菅野(菅野智之)や山口(山口俊)のクラスはもうそんなに投げなくてもいいのよ。でも、彼らのほうが若い連中より投げていると思うよ。

横山 彼らは、もう出来上がっていますし、投げるコツを知っていますからね。コツを知っているピッチャーは・・・

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堀内恒夫の悪太郎の一刀両断!

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「悪太郎」こと巨人V9のエース、堀内恒夫氏の連載コラム。野球人生の集大成。

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