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堀内恒夫の悪太郎の遺言状

堀内恒夫コラム 第27回「記録はやれるときにやるべきだ。未来のために今をあきらめてはいけない」

 

1967年ノーヒットノーランを達成した筆者


今を生きているのか


 背番号17が熱い。エンゼルス・大谷翔平ロッテ佐々木朗希。ここに28年前に完全試合を達成した槙原寛己の名前も入れておこうか(笑)。4月10日、スポーツ報知の評論のため、佐々木の完全試合を見届けた俺は評論をこう締めた。

「予言しよう。とんでもないレベルの投手になるぞ」

 その佐々木。完全試合を達成した1週間後のマウンドで、8回までパーフェクトピッチング。まさしく、とんでもないレベルのことが起きようとしていた。同じ時間帯で巨人戦もあったが、佐々木のピッチングに目が離せない。そして、0対0で迎えた9回表・日本ハムの攻撃。そのマウンドに佐々木の姿はなかった。

 なぜだ。こんな前人未到の大記録。完全試合は、この長い日本プロ野球の歴史の中で、たった16人しか達成できていない。それを立て続けに2回もやろうとする若者が目の前に現れた。夢じゃないか。選手はやりたいに決まっているさ。それにプロ野球はエンターテインメントでもある。佐々木のピッチングを観たくて集まってくれた満員の観客に、しびれる試合を「魅せる」こともプロの使命だと俺は思う。日本ハムのエース・上沢直之も必死。ロッテの野手も守るのも打つのも必死。いいゲームだ。佐々木は納得しての交代だって言うけれど、彼は賢い子だよ。無理なことは言わないだろう。交代した理由も耳にした・・・

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堀内恒夫の悪太郎の一刀両断!

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「悪太郎」こと巨人V9のエース、堀内恒夫氏の連載コラム。野球人生の集大成。

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