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堀内恒夫の悪太郎の遺言状

堀内恒夫コラム 第33回「高橋優貴の再生は優勝にもかかわる。まずは失った自信を取り戻させることだ」

 

今季1勝4敗と低迷が続く巨人・高橋


なくしたベンチの信頼


 巨人・高橋優貴のピッチングが、今年に入って明らかにおかしい。昨年の成績は11勝9敗。巨人投手陣で2ケタ勝ったのは、この高橋だけ。つまり勝ち頭のピッチャーですよ。しかし今シーズンの起用法はまったく安定しない。先発で投げていても長くマウンドにいることもできない。

 嫌な予感はしていた。高橋はオープン戦で一度も投げることがなかったからだ。調整の遅れだろうか。昨年、初めて年間通して投げた疲れもあるのか。ファームで一度先発して6回無失点。開幕一軍の切符はつかんだ。

 最初の登板は開幕2戦目の中日戦(東京ドーム)。8回2対3と1点ビハインドの場面。リリーフ登板だった。大丈夫だろうか。不安が先に立った。高橋は先頭打者の大島洋平に四球を与えた。続く、岡林勇希が送って一死二塁。阿部寿樹は初球を打ち、右飛で二死二塁と変わる。しかし、次のビシエドに対して、またボール先行。高橋の暴投で二塁走者は三塁へ。結局、ビシエドには敬遠ぎみの四球。二死一、三塁。次の木下拓哉が打撃妨害で二死満塁となり、ここで高橋はマウンドを降りた。

 四球が多かった俺は他人のことは言えないよ。でもね、俺は常に思っていた。四球を出しても得点をやらなければいいんだと。そういう気概のような強いものが、残念ながらマウンド上の高橋からは伝わってはこない。そして、高橋は選手登録を抹消される。4月19日に再登録されたが、ベンチの信頼がまだ得られていなかったんだろう。先発もあればリリーフもある。

 その中で印象に残った試合は、5月8日ヤクルト戦(東京ドーム)だ。先発した高橋は・・・

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堀内恒夫の悪太郎の一刀両断!

堀内恒夫の悪太郎の一刀両断!

「悪太郎」こと巨人V9のエース、堀内恒夫氏の連載コラム。野球人生の集大成。

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