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堀内恒夫の悪太郎の遺言状

堀内恒夫コラム 第95回「長嶋さんは松井に『ディマジオを目指せ!』と言った。原監督は守備位置を変える岡本に何と説明するのか?」

 

岡本は「巨人の顔」として試合の最後までサードにどっしりと収まっているべきだ


俺は何度でも書き記したい!「巨人の四番をナメるなよ!」


 今季の巨人は、「いったい、誰を中心にチームを動かそうとしているのか?」という最も大切な部分が見えてこない。

 俺が最も不可解に思うのは、いつも試合終盤になると、サードの岡本和真をファーストへ持っていくじゃないか。時には「四番・ファースト」として、先発メンバーに名を連ねることもあるから、本当に驚きだね。

 岡本がファーストを守るときには、ルーキーの門脇誠がサードのポジションに就く。

 確かに門脇は、守備には見るべきものがある。試合終盤になってからの「守備固め」と解釈してもいいんだけどさ。岡本は昨季まで2年連続ゴールデン・グラブ賞を獲得している守備の名手だよ。そんな岡本を「守備固め」のためにほかの誰かと交代する必要などない。さらに終盤へ入ってから、ファーストへ移動するなんてことはあり得ない話だよ。

 今年3月に開催されたワールド・ベースボール・クラシック(WBC)のときから、俺は気に入らなかったんだ。侍ジャパンを率いていた栗山英樹監督が、ヤクルト村上宗隆をずっとサードで起用し続けて、岡本をファーストとかレフトでたらい回しに使っていたじゃないか。

 何度も書くけれど、本当に「巨人の四番をナメるなよ!」と言いたくなる。

 誰が見たって、「サード・岡本」は村上よりも守備力で優っていることは間違いない。いくら村上が昨季は史上最年少の三冠王を獲得したといっても、ファーストを守らせて、サードは岡本に任せるべきだったと、俺は思うね。

 しかし、岡本に関しては日本でシーズンが開幕してからも、同じような“仕打ち”が続いている。

 今季から岡本は伝統ある巨人のキャプテンに就任した。昨季までキャプテンを務めていた坂本勇人に代わって、「チームの顔はお前なんだ!」と指名されたわけじゃないか。

 今季からチームリーダーの役割を託された男が、試合終盤になると、コソコソと毎試合のようにポジションを動かされる。駆け出しの選手ならまだしも、岡本はサードを守らせたら日本プロ野球で1、2位を争う守備の名手だからね。これは本当に不可解な話だ。

 2015年の入団時に岡本は・・・

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堀内恒夫の悪太郎の一刀両断!

堀内恒夫の悪太郎の一刀両断!

「悪太郎」こと巨人V9のエース、堀内恒夫氏の連載コラム。野球人生の集大成。

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