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堀内恒夫の悪太郎の遺言状

堀内恒夫コラム 第109回「2023年はどんな1年だったか? ペナント総括! 巨人とヤクルトが『投手王国』阪神を走らせた!」

 

岡田監督の下で「アレ」を成し遂げた阪神。しばらくは「天下」が続くかもしれない


広島は「限りなく首位に近い2位」監督1年目の新井貴浩に「天晴れ!」


 今年も年の瀬を迎えている。2023年はプロ野球にとって、どのような1年だったか。

 俺はこのコラムを通して、今回と次回の2回にわたり、今季のプロ野球ペナントレースをセ・リーグとパ・リーグに分けて、それぞれ振り返ってみたいと思う。

 まずは今季、阪神が18年ぶりのリーグ優勝を飾ることによって、大きな盛り上がりを見せたセ・リーグから話を進めていきたい。

 阪神は9月14日に2位の広島に13ゲームの大差をつけて、リーグ優勝のゴールを駆け抜けた。今年は本当に「阪神タイガースの1年」だった。まさにこの一言に尽きるね。

 なぜ、このような状況に陥ったのか。その元凶は、俺が再三指摘してきたようにヤクルト巨人の低迷にあることは間違いない。

 特に昨年まで2年連続リーグ優勝を飾り、一昨年の日本シリーズでは20年ぶりの日本一に輝いているヤクルトが、今季はBクラスの5位へ沈んだ。上昇機運に乗っていたチームが、ここまで急激にどん底へ急降下するとは誰もが予想していなかったからね。

 要するに今季のヤクルトは、急激に力が落ちてきていたということ。俺たちペナントレースの“予想屋”野球評論家を最も困らせるのが、ヤクルトのようなチームだということになる。

 さらに今季、同じくBクラスの4位と2年連続で低迷した巨人は、ヤクルトより順位は1つ上でも、もっと深刻な状態ではないかと思う。なぜかと言えば、首位の阪神に6勝18敗1分け、2位の広島には8勝17敗と、信じられないくらい大きく負け越しているからだよ。

 巨人は、3位のDeNAに14勝11敗と善戦している。5位のヤクルトに17勝8敗、6位の中日には15勝9敗1分けと大きく勝ち越している。要するに巨人は、“弱いものイジメ”によって、どん底への転落を免れたといっても過言ではない。

 とにかく、巨人とヤクルトの体たらくが阪神の独走を許したことは間違いないだろう。

 それにしても、広島は阪神に対して9勝15敗1分けだけど、あの戦力で、よく・・・

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堀内恒夫の悪太郎の一刀両断!

堀内恒夫の悪太郎の一刀両断!

「悪太郎」こと巨人V9のエース、堀内恒夫氏の連載コラム。野球人生の集大成。

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