今季前半の巨人は、俺が予想していたとおりに低迷が続いた。とは言え、昨季リーグ優勝と日本一に輝いた阪神が開幕からもたついてくれていたおかげで、幸運にも首位戦線から大きく後退することはなかった。だが、勝ったり負けたりの繰り返しで、2年連続Bクラスの4位に低迷していたチームを象徴するような戦いぶりだった。

　なぜ、今季も浮き沈みの激しい戦いを繰り広げていたのか。昨季終盤から原辰徳前監督が敢行したコンバートを、阿部慎之助新監督が愚直に踏襲していたことが、その理由である。一昨年まで2年連続ゴールデン・グラブ賞を獲得していた守備の名手・岡本和真をサードからファーストへ。ベテランの坂本勇人をショートからサードへ。ルーキーだった門脇誠をショートに抜てきした。

　俺が再三、指摘してきたように、チームの柱となる岡本のポジションを動かすことはものすごくリスクがある。ましてや岡本は・・・