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再録インタビュー 南海ホークスFOREVER(2015年)

野村克也×門田博光(元南海ほか) 対談「南海時代は監督像が頭に浮かんでこなかった」

 

野村克也氏が南海監督時代を振り返り、「3悪人」と表現するのが、江本孟紀氏、江夏豊氏、そしてここで登場する門田博光氏だ。野村氏が兼任監督となった70年に南海入団。不惑の大砲とも呼ばれた歴代屈指のホームランバッターだ。

2013年、ソフトバンクの始球式に2人が登場。左が門田氏、右が野村氏


コイツらに鍛えられた


──1970年から野村さんが監督兼任。そこに門田さんが入ってきた。野村さんからバッティングのことで、いろいろアドバイスを受けたということですね。

野村 いや、俺は唯一覚えてるのは、今おっしゃったように、あまりにもブンブンブンブン振り回すから「お前、どこまで飛ばす気か」っていう、「バッティングっていうのは、ホームランっていうのはね、ヒットの延長がホームランだ」っていう。そこだけですよ、彼に、大振り、ムチャ振りをやめさせたくて。

──それは変わらなかったわけですね。

野村 変わらない。だから、右言うたら左向くヤツやから。鍛えられた。コイツらのおかげですよ、門田、江本(江本孟紀)、江夏(江夏豊)。

門田 まだ言うてはる。

野村 もう、彼らには足向けて寝られない。この3人に鍛えられたから、このヘボ監督が、長い、二十数年も監督できた。問題児がチームに出てくるでしょう。すぐ思い出すのがコイツらだ。門田以下の3悪人を見たらかわいいもんだと。阪神行ったときも新庄(新庄剛志)っていう変人がいたでしょう、そらあ、彼らに比べたら全然、ヒヨコだもん。かわいいかわいい(笑)。

門田 こんなん言ったら、また私ら、むちゃくちゃ悪人や思われますよ。

野村 間違いない、悪人だよ。

門田 いや、違う違う。そんなん言うんやったら「超」つけてくださいよ。悪人だけやなしに、「超」つけてくれたらまだ……。

野村 監督っていうのは、選手の育成に当たるのは普通なんだけど、彼らに育てられたもん、俺は。で、それがエネルギーとなって・・・

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