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RECORD STORY

記録で見る松坂大輔のピッチング 球界最強投手だった西武“8年間”

 

春夏甲子園連覇の実績を引っ提げ、1999年西武にドラフト1位で入団した松坂大輔。いきなり16勝を挙げて最多勝を獲得するなど、1年目から鮮烈な輝きを見せた。その後も“平成の怪物”の称号に違わぬ活躍を見せた松坂。渡米する2006年までを中心に、記録の側面から松坂のピッチングを紐解いていく。
文=永山智浩

99年4月27日のロッテ戦(西武ドーム)でプロ初完封。捕手は現オリックス監督の中嶋聡だった[左]


高卒ルーキー初登板初先発初勝利


 松坂大輔は1998年の春夏の甲子園を横浜高で連覇。特に夏の決勝ではノーヒットノーランを達成。「平成の怪物」と呼ばれ、ドラフトの目玉として3球団が指名し、西武に入団が決まった。春季キャンプ中から注目度は抜群でペナントレースを迎えたが、「高卒ルーキー」の肩書きもあり1年目は記録ラッシュの年となった。

 99年の西武は本拠地・西武ドームのダイエー2連戦が開幕カード。開幕投手は2年連続最多勝のエース・西口文也で、2戦目は豊田清。2カード目は東京ドームの日本ハム戦だったが、その初戦の先発はベテランの新谷博。そして2戦目の4月7日、先発ローテーション4人目として松坂が指名された。

 初回、一番の井出竜也からいきなりプロ初三振を奪うと、5点の援護点をもらい5回までノーヒットの快投。87年の中日・近藤真一以来2人目のプロ初登板ノーヒットノーランの期待もかかった。6回一死から小笠原道大に中前へ詰まった当たりのヒットを打たれ大記録はならなかったが、7回まで無失点。8回一死からまたも小笠原に2ランを浴び、この回で退いたが、球数132、被安打5、奪三振9、与四球3、失点2で、ドラフト制施行の66年以降9人目となる、高卒ルーキー初登板初先発初勝利をマークした(表1参照)。この記録は松坂以降8人がマークして(56年間で)17人になったが、まず高卒投手が1年目に先発で登板できる自体がかなりレアなケースだ。


 松坂は自身4試合目となった4月27日のロッテ戦(西武ドーム)で初完封を記録した。6回裏、大友進のタイムリーの1点を守り切ったもので、高卒ルーキーの完封は・・・

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