“平成の怪物”のラストマウンド――。西武・松坂大輔が2021年10月19日、日本ハム戦(メットライフ)でプロ野球人生最後のマウンドに上がった。満身創痍の体から投げ込んだ魂の5球。日本全国の野球ファンに、背番号18の最後の勇姿を見せた。 最後のマウンドでは1球だけストライク。「最後の最後で野球の神様が取らせてくれたのかなと思っています」
高卒1年目の1999年にいきなり16勝を挙げて新人王に輝いた西武・松坂大輔が2年目に入ったとき、「これだけひたむきになれる、野球の面白さってなんだと思いますか?」と問われ、次のように答えていた。
「何だろう……。野球に限らずどんなことでもそうだけど、変化が表れるところかな。苦労をして上達していくから面白いし、好きなんです。それが僕にとってはたまたま野球だった。何でも簡単にできたら飽きちゃうじゃないですか。僕は仕事だと思ってないですから。趣味でやっているみたいなもんだし(笑)。好きなときに野球のことを考えて、やりたいことを黙々とやって、食べて、寝て……そうしていられることが楽しいし、幸せです」
まさに野球小僧の本懐。当時の杉本正投手コーチは・・・