スタートはすでに半世紀以上前となる。この時期、現役選手として躍動していた選手たちの中には、すでにこの世を去った方も多い。ただ、古臭いモノトーンの時代ではない。荒々しくも熱き名勝負が数え切れないほどたくさんあった。 週刊ベースボール 別冊空風号 よみがえる1970年代のプロ野球 EXTRA(1) セ・リーグ編
2022年11月28日発売より 
巨人、阪神のデッドヒートとなった1973年。熱量最高だったのは一番勝負で選んだ10月11日の直接対決ではないか[写真は代打で3ランを放った巨人・萩原康弘]
【一番勝負】GTがノーガードの打ち合い
1973.10.11 巨人 10-10 阪神(後楽園) 史上初の最終戦直接対決での優勝決定となった73年。優勝しV9を達成した巨人と2位の阪神の名勝負は多かったが、ここではその中で10月11日のゲームを選び、70年代の名勝負の筆頭に置きたい。
大混戦から終盤になって巨人が抜け出したかに見えたシーズンだったが、阪神が猛烈な追い上げを見せ、前日の10日、同じく後楽園のゲームでは2対5から田淵幸一の逆転満塁弾もあって勝利。ゲーム差なしながら順位を逆転させていた。
迎えた11日も阪神は7対0と大量リードしたが、そこから巨人に7対9と逆転され、再逆転するも最後は10対10の時間切れ引き分けに持ち込まれた。結果論ではあるが、この試合を勝ち切れなかったことは阪神にとって痛かった。
【二番勝負】星野仙の足が震えた!
1974.10.11 ヤクルト 3-3 中日(神宮) 20年ぶりの優勝に向け順調に歩みを見せていた中日だが・・・