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よみがえる1970年代のプロ野球 70年代の記憶

【70's カープの記憶】悲願のリーグ初制覇、1975年10月15日への道のり 歓喜につながったチームの変化、選手の思い

 

プレッシャーから解放され、祝勝会では美酒とともに歓喜に酔いしれたナインたち


転機はルーツ監督就任


 当時の選手たちに初優勝前のカープについて振り返ってもらうと、誰もが「弱いチームだった」と口をそろえる。1972年からの3年連続最下位は必然とも言える成績。そんなチームを変えようとしても、簡単なことではない。しかし、たった1年でチームは変わった。中日との優勝争いの中で、選手たちが見せたのは“強さ”だった。

 変化への第一歩は“負け犬根性の一掃”だった。チームにあった凝り固まった思考を一新するために、重松良典球団代表の主導で、それまでコーチを務めていたジョー・ルーツを監督に抜てき。これが優勝への最大の転機だったと言ってもいいだろう。

「勝つことへの執念、選手の野球に対する従来の感覚を完全に変えてしまうほどの強烈な、何か権威づけられた感じの強い個性が必要」。それがルーツ就任の真意だった。

 就任直後からルーツは革新的な手をいくつも打った。安仁屋宗八、大石弥太郎、白石静生の主戦を放出して、阪急から宮本幸信、児玉好弘、渡辺弘基、阪神から若生智男を獲得する大トレード。また、日本ハムから大下剛史を連れてきた。これはのちに「歴史的トレード」と言われる。新外国人の補強としてホプキンス、リッチー・シェーンを加入させたのもルーツの手腕だ。

 変化は人だけにあらず。「日本の国旗も赤い太陽の日の丸だ。燃える、エキサイトする色をルーツカープのシンボルに」と提案すると・・・

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