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スカウト物語

ヤクルトスカウト・丸山泰嗣 スタートしたばかりのスカウト人生「清水昇には、投手陣を引っ張る存在になってほしい。彼なら必ずなれる」

 

昨季、20年ぶりの日本一をつかんだスワローズ。若手からベテランまで一人ひとりが力を発揮したが、全員野球のメンバーはもちろん選手だけではない。未来の中心選手を発掘するスカウトもその一員である。スワローズ黄金時代を再び築くために、5年目のスカウトが黙々と汗を流している。
取材・構成=小林篤 写真=BBM

スカウト活動はわずか5年。毎日が勉強の日々


すべての経験が財産


 現役時代はロッテヤクルトで6年間を過ごし、引退後はマネジャー、広報としてヤクルトを支えてきた。プレーヤーとして、裏方として過ごした濃密な日々が、現在のスカウト活動に大きく生きている。

 現役を引退してから15年が経ちますが、スカウトは2018年からなのでまだ5年目、毎日が勉強です。現役引退後は、二軍マネジャーを経て、15年から3年間は真中満監督付の広報をしていました。真中監督の退任に伴い、監督付きの業務が終わった17年秋、チームが秋季キャンプ中の間、私は都内に残っていたのですが、そこで小川GM(小川淳司・当時シニアディレクター)に呼ばれ、神宮球場で大学野球を一緒に見ました。ドラフト候補選手が出場していて、「あの選手はどう思う?」と。まだスカウトになることは決まっていませんでしたが、今思えば、小川GMと試合を見たあの日がスカウト人生のスタートです。

現役時代は内野全ポジションを守るユーティリティープレーヤーだった


 スカウトに就任した当初、先輩から「とにかくたくさん試合を見よう」というアドバイスをいただきました。担当している関東地区は、毎日のように試合が行われているので、何度も試合を見て勉強をしました。ここ数年は、新型コロナ禍で十分な練習時間を確保できておらず、パフォーマンスが発揮できない選手も見られます。そういった中で選手をどう評価するのかは難しいところですね。また、試合が急きょ中止になることもあり、スケジュール管理についても、新人のころとは違った難しさを感じています。

 選手をどのように評価するかですが、こちらもアドバイスをいただきながら日々勉強しています。例えば、投手について、私自身が野手出身のため、打者目線で見ることが多かったのですが、投手出身のスカウトや、先輩スカウトのアドバイスで、今ではいろいろな角度から選手を評価することができているのかなと思います。

 ただ、変わらないものもあります。今はネットで検索をすれば、注目選手のプレー動画をすぐに見ることができる時代です。しかし・・・

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