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スカウト物語

元ホークスほかスカウト/現ホークス三軍監督・小川史 人を惹きつけるプラスアルファ「プレーだけでなくて“人間的”な部分も大事。環境が変わっても一生懸命できるのかどうか」

 

1982年のオフ、ライオンズからホークスに移籍。選手時代も含めて、球団在籍は30年を超えた。2018年から4年間務めたプロスカウトはまた違う角度からチームを見つめることに。そして今季、自身3度目となる三軍監督で現場復帰。さまざまな経験すべてが、若手育成にも生かされていく。
取材・構成=菅原梨恵 写真=ソフトバンク球団提供、BBM

現場とフロントを行き来し、さまざまな形でチームづくりに携わっている ©SoftBank HAWKS


チームに必要な戦力は何か


 トレードで加入したホークスで14年間を過ごし、選手としてのキャリアを終えた。引退後は、野球解説者、オリックスのコーチ(2003〜04年)、楽天のプロスカウト(09〜10年)を務めていた時期もあるが、11年に復帰を果たすと、さまざまな立場からホークスのために力を注ぐ。18年から昨年まで務めたのがプロスカウト。選手の新たな可能性を見つめてきた。

 三軍監督としてホークスに戻ってきて、一軍、二軍、三軍、すべてのカテゴリーに配属されたのちに、プロスカウトを担当することになりました。ここでは、また違う角度から選手を見ることになります。トレードの企画やトライアウト。FA選手も私たちの担当です。選手の力量をしっかり判断して、チームに必要な戦力なのかを見極めていくのが仕事の一つです。

 あとは、これはスカウト個人としてというわけではないのですが、編成というところでは、選手がどのようなタイプなのか。投手なら、先発、リリーフ、リリーフでもロングもできるか。野手の場合は、レギュラーでなければ、代打、代走、守備固めといろいろとありますよね。そういうところも見ていくわけです。

 プロスカウトは、ホークスの場合は、私が所属していた当時で3人いたときもありますし、今は2人で担当しています。基本的にはイースタンとウエスタンに分かれて見ていく形になるのですが、これは単に二軍だけを見るということではなく、一軍も含めて。とはいえ、やっぱり比重としてはファームの選手を見に行くことが多いんですけどね。情報量の面でも、ファームの選手は限られる。それに、実際に目で見なければ分からないこともあります。目で見た生の情報も合わせて、編成育成本部とスカウト部の部長である永井智浩と話をしながら、「ウチに来たときに、どのポジションで、どうチームの戦力になるか」というところをシミュレーションしたり、「ほかにもこういういい選手が埋もれていますよ」と新しい情報も共有したりしながら、いろいろな戦略を立てるわけです。

 やっぱりポジション的にウチに来てほしいというところが第一にはなりますが・・・

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