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スカウト物語

巨人スカウト部長・水野雄仁 選手の活躍が大きな喜び「見る目が間違っていなかったということは、スカウト陣にとっても励みになる」

 

甲子園でフィーバーを起こし、自らもドラフト1位で指名され、高校からプロの世界に飛び込んだ。それゆえ、大学や社会人といったアマチュア球界とは無縁だったが、スカウトになったことで野球人としての視野がさらに広がっている。昨年10月からはスカウト部長に就任。球団の未来のために、選手たちの活躍を励みとしながら前に進んでいく。
取材・文=杉浦多夢

部長職となっても全国を飛び回る日々に変わりはない[写真=球団提供]


野球人生に欠けていたもの


 原辰徳監督が3期目の指揮を執ることになった2019年から一軍の投手コーチとして現場に復帰したのが始まりだった。翌20年は巡回コーチだったが、新型コロナ禍になったこともあって6月ころから兼務する形でスカウト活動も開始。昨年はスカウト部参与としてスカウト活動に専念し、同年10月からスカウト部長に就任。野球人として新たな経験を積み重ねている。

 私は高校からプロに入ったので、スカウトになったばかりのころは大学や社会人といったアマチュア球界につてがありませんでした。ただ、幸い先方が私のことを知ってくれていたので、何とかやっていくことができました。最初は巡回コーチとして残留組のピッチャーを見ながらだったので、菅野智之の調整のピッチングを見てから、アマチュアのレベルに合わせて見る、というのがなかなか大変でした。菅野と比べても仕方がないですからね。

 スカウトの仕事をすることになるなんて想像もしていませんでしたが、全国で30近くもある大学のリーグをすべて言える人なんてなかなかいない。都市対抗で会社の看板をかけて死に物狂いで戦っている姿を見たこともなかった。私の野球人生において欠けていた部分を見ることができているので、楽しくやらせてもらっています。

 ただ、全国を飛び回って各地方球場を転戦していくので、ほとんど家に帰れないというのが正直なところ。1週間くらい出て、1日帰ってきて、また2週間出ていくというのが常ですから、家でゆっくり、なんてことはまったくできません。それは部長職になってからも変わらないです。

 それでも・・・

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