週刊ベースボールONLINE

近本光司の認知を超える

近本光司コラム 第6回 盗塁のスタートが自分主導へ「(スタート前)膝の揺れと投球動作が自然と合う感じになり、ピッチャーが投げるより先にスタートが切れる」

 

2022年、2年ぶり、自身3度目の盗塁王に輝いた。さらに成功率が格段に上がり、8月6日の広島戦(マツダ広島)から10回連続盗塁成功。その裏には、スタート、走り出しを研究し、変化を加えたことがあるという。
写真=BBM

走り出しの体の使い方を変えたことで、以前に話を聞いた鈴木尚広[現巨人コーチ]との理論と一致。そこから成功率が上がっていった


悩んだ開幕戦での失敗


 先日、インスタグラムでバク宙の動画をアップしました。やはり僕にはできないことがあるんだと実感。史也(北條史也)がやっているのを見よう、見まねでどこまでできるのか、ということに挑戦したんです。でも、思っていた以上にできなかった。体を動かすとき、一つひとつ理解しながら、自分の体の動きをひも解いていかないと何ごとも達成できないタイプだということを再確認した日でした。

 さて、今回のテーマ「盗塁」について語っていきます。2022年シーズンは盗塁成功率が上がりました(85.7パーセント35回中30回成功)。実はシーズン中に、僕自身の走り方が変わったんです。あることがきっかけで、その感覚は自分の中になかったものでした……盗塁のスタート、走り出しを変えたことで、走りがよくなったんです。

 22年3月25日のヤクルトとの開幕戦(京セラドーム)、初回に先頭打者として出塁。すぐに盗塁をしました。でも、いきなりアウト。完ぺきに近いスタートを切っていたので、なぜアウトになったのかなあ、と考えたんです。22年に限っては、前半戦だけ失敗をしています。後半戦は成功率がぐんと上がっていきます。走り出しの感覚が分かってきてからの盗塁失敗は1回だけでした(それもベースを超えてしまって……笑)。走り出しの、何が変わったかと言うと「自分主導」のスタートになったことです。

 22年秋から巨人の外野守備兼走塁コーチに就任されました鈴木尚広さんの・・・

この続きはプレミアムサービス
登録でご覧になれます。

まずは体験!登録後7日間無料

登録すると、2万本以上のすべての特集・インタビュー・コラムが読み放題となります。

近本光司の認知を超える

近本光司の認知を超える

阪神・近本光司の連載コラム

関連情報

新着 野球コラム

アクセス数ランキング

注目数ランキング