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2022プロ野球総決算号 セ・リーグ連覇インタビュー

ヤクルト・塩見泰隆インタビュー 試行錯誤の日々を経て「一番打者としての働きを考えて打席に立てるようになった」

 

12球団トップの得点数を挙げた強力打線のリードオフマンは、攻守走で安定した働きを見せ、リーグ連覇の原動力になった。悔しさで幕を閉じた2022年、山あり谷ありのシーズンを振り返る。
取材・構成=小林篤 写真=高塩隆、BBM

16本塁打、24盗塁はキャリアハイの成績で、守っては自身初となるゴールデン・グラブ賞も手にした


増量に手応えも


 レギュラーをつかみ140試合に出場した昨季の経験は、気持ちに余裕をもたらした。パワーアップした一番打者は、チームが快進撃を続ける中で調子を上げ、7月2日のDeNA戦(神宮)でサヨナラ打を放ち、史上最速のマジックを点灯させた。しかし、そんな絶好調の塩見に突如、新型コロナウイルスが襲った。

──昨年に続いてレギュラーとして戦い抜いた1年。振り返ってみてどんなシーズンでしたか。

塩見 おおむね良かったのかなと。2年連続リーグ制覇を目標にして、それが達成できたのはすごく自信になりました。ただ、2年連続日本一には届かなかった。最後に悔しい思いをしたシーズンでもありました。

──前年は4年目で初めて100試合以上に出場し定位置をつかみました。今年は開幕に迎えるにあたっての心境の違いはありましたか。

塩見 それはありましたね。昨年は結果が出ていない中で、勝負の1年だと思って挑んだシーズンでしたが、今年に関しては、そこまで思わなかったというか。ほとんど自分のことをメインで考えていた昨年から、チームのことをある程度見ながら今年は開幕を迎えられたのかなと。もちろん、今年も結果を残さなければいけないというのはありましたが、そこに加えて一番打者としての働きなどを考えて打席に立てるようになりました。

──「強い打球を打ちたい」とのことから体重を76kgから80kgに増量しました。手応えはどうでしたか。

塩見 長打という部分においてはある程度かたちになってきたのかなと思います。体のコンディションも充実していて、体重を増やしてもスピードが落ちることはなかったです。

──体重80kgはシーズンを通して維持できたのでしょうか。

塩見 それが、夏場ごろから徐々に落ちてきてしまって……。結局維持することはできなかったですね。成績についても前半戦まではよかったのですが、(新型)コロナですよね。コロナに感染したあとにガクッと下がってしまいました。

──前半戦は交流戦を優勝し、14カード連続勝ち越しがありました。また、塩見選手自身も3打席連続本塁打など好調を維持していました。

塩見 非常に充実していましたね。常に勝っていたというイメージで、チームが波に乗っていました。自分自身も成績を残しながら、チームが前を向いて野球ができていたという期間でした。

──7月2日のDeNA戦(神宮)ではヒーローインタビューで「家族のようなチーム」という発言がありました。その家族の中で心掛けていたことなどはありましたか。

塩見 チームの雰囲気が悪くならないようにということは心掛けていました。年齢も29歳で上のほうになってきて・・・

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