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2023プロ野球総決算号

【12球団ペナントレース総括】オリックス・月間負け越し&大型連敗なし! 『全員で勝つ』を体現してV3

 

セ・リーグは阪神が18年ぶりのリーグ優勝、パ・リーグはオリックスがリーグ3連覇を果たした2023シーズン。セ・パともに王者がクライマックスシリーズも勝ち上がり、日本シリーズへ進出。史上2度目の“関西シリーズ”となった頂上決戦では4勝3敗で阪神がオリックスを退け、38年ぶり2度目の日本一に輝いた。色褪せない激闘の記憶──。セ・パ12球団の2023年の軌跡を振り返っていこう。


【シーズン成績】143試合86勝53敗4分勝率.619

 王者ではなく挑戦者──。昨季、26年ぶりの日本一に輝くも、「まだまだ発展途上。もっともっと強くなる」と中嶋聡監督はチームに進化を求めた。

 思いは選手起用と戦いぶりに表れた。吉田正尚がMLB・レッドソックスに移籍し、攻撃面が不安視される中、西武からFA加入した森友哉が奮起。敵地での古巣・西武との開幕戦では9回二死から起死回生の同点ソロを放つなど勝負強さを発揮した。さらに育成入団ながら開幕直前に支配下登録された茶野篤政が安打を量産して一番定着、本職は捕手ながら武器の強打を生かして一塁起用された頓宮裕真もコンスタントに安打を放ってハイアベレージをキープして打線が活発に。杉本裕太郎中川圭太宗佑磨ら昨季までのVメンバーに新たな力が割って入って得点力がアップ。本調子ではなかった投手陣が多かった開幕直後を支えたのは、不安視された打線にほかならない。

 投手陣もスケールアップした。筆頭が高卒3年目の山下舜平大だ。山本由伸宮城大弥がWBCに参戦したこともあり、開幕投手で一軍デビューを果たすと、最速160キロに更新したストレートを軸に打者を圧倒。若手に触発されるように、31歳左腕の山崎福也が6月に4勝を挙げるなど奮闘した。山崎颯一郎宇田川優希阿部翔太平野佳寿ら150キロ超を投じるパワーピッチャーが複数そろう救援陣も、2年目右腕・小木田敦也、7月から救援に配置転換された山岡泰輔の2人が加わりロング救援も辞さず層が厚くなり、先発との相乗効果が増していく。

 前半戦は激しい首位争いとなるも・・・

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