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2025プロ野球総決算号

<惜別球人 2025 SELECTION>去り行く戦士たち【Part.2】

 

ドラフトからプロの世界へ飛び込むルーキーがいる一方、今季限りで現役生活に別れを告げ、ユニフォームを脱ぐ選手がいる。いつかは訪れる最後の瞬間――その決断を下した主な選手たちを紹介する。
※2025年12月5日までに引退を表明した主な選手になります。
※年齢は2025年満年齢

【Part.1】はこちら
【Part.3】はこちら

ヤクルト・川端慎吾 貫き通したスワローズ愛


川端慎吾[ヤクルト/内野手/38歳]


「ヤクルトの川端のまま終わりたい」

 シーズン最終盤の9月27日に引退会見を開いた。同月上旬に球団から引退の話があり、ファーム戦に出場しながら進退を考える日々。「まだやりたい」という現役続行への思いも頭を巡る中、最後はユニフォームを脱ぐ決断を下した。そこには球団愛があった。

「体も動いていたし、気持ちも衰えていなかったけど、『ヤクルトの川端』のままで終わりたい。その思いが決め手でした」

 2006年に高校生ドラフト3巡目でプロ入りし、ヤクルト一筋20年。「最初の10年はすごく長くて、その後の10年間はあっという間でした」と振り返る。猛練習を土台に能力をメキメキと伸ばし、6年目の11年に初の規定打席到達。芸術的なバットコントロールで広角に打ち分ける技術を武器に、2015年には195安打、打率.336で最多安打と首位打者のタイトルを獲得した。節目のプロ10年目、不動の三塁手として全試合先発出場。自身初のリーグ優勝に貢献してみせた。

 一方、後半10年はケガとの闘いだった。17年は椎間板ヘルニアの手術を受け一軍出場なし。19年は「日常生活もままならない状況だった」という重症で、翌20年1月に再び腰を手術した。復帰後のイメージもできない中、頭の中は「とにかく代打に専念して、少しでも食らいついていきたい」という気持ちだけだった。

 代打稼業に生きたベテラン時代、最大のハイライトは21年だ。歴代2位となるシーズン代打30安打を記録、『代打の神様』として6年ぶりリーグ制覇に貢献した。そして、オリックスとの日本シリーズでも魅せた。3勝2敗で迎えた第6戦、延長12回二死一塁で代打起用となった。二死二塁とし、吉田凌が投じた7球目、「本当はファウルを狙っていた」という当たりは左翼手の前にポトリと落ちた。技ありの一打で勝ち越し、ヤクルトは20年ぶりの日本一。シーズン最終盤で右太ももを肉離れする、満身創痍の中で放ったV打だった。

 引退会見後の試合で現役通算1100安打目を記録。大声援を受けたが、これがラストではない。来年3月のオープン戦では引退試合が予定されている。

「もう一度、打席に立たせてもらえるので、大きな“声燕”をいただけたら」

 来春、神宮で・・・

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