プロ野球選手としての今後を見据え、下した決断。中途半端な自分に別れを告げ、過ごした1年であらためて強い自分を示すことができた。捕手としては、まだまだ始まったばかり。すべては勝利のために、もっともっと追求していく。 取材・構成=菅原梨恵 写真=早浪章弘、BBM ポジションに対する本音
2023年は坂倉将吾にとって、ターニングポイントとなった。捕手で勝負することを決め、実際に113試合でマスクをかぶった。胸に残るしんどい思いも、やり切ったからこその経験の一つ。それら一つひとつが糧となり、新シーズンもまた、頼もしさが増していく。 ――いよいよ新シーズンが開幕します。
坂倉 気持ち的には、まだちょっと余裕があるほうかなと思います。ただ、感覚がうまくいかないところもあるので、そこの調整は必要かなと。ダラダラやるつもりもないので、しっかりと開幕からいいスタートを切れるように、というふうには思っています。
――気持ちの余裕というところは、キャリアを重ねてきて、ある程度シーズンに入っていく形ができているからですか。
坂倉 自分の思うようにいかないことも多々あるので難しいところなんですけど、慌てたりはしないように、ちょっと意識しているところもあります。チェックポイントは自分の中では押さえているつもりなので、そこがだんだんとクリアできていければいいかなと。
――現状、自身の中で気になるところ、うまくいっていないと思うところは、どんなところですか。
坂倉 バッティングで言えば、打ちにいくときの姿勢というか、体重バランスだったり。スイングはずっと自主トレからやってきているので、だいぶいいなとは思っているんですけど、もう一つ、コンタクトだったり、タイミングだったりとかが、合ったり合わなかったりしているんですよね。まあ、そこはシーズン中も繰り返しにはなるんですけど、まだしっくりしたものがないのでもう少しかなと。守備でも、感覚がまだ……。距離感だったり、捕るほう、投げるほうも。止めることに関しても、ですけど、もう少ししっくりきた中で入っていきたいなというふうに思っているんです。
――しっくりこないことに対して、焦りみたいなものはないですか。
坂倉 不安は多少ありますけど、でも特別、焦っているということはないかな。守ることにしても、打つことにしても、根本的なところは、ある程度はあるつもりです。守るほうはまだ1年しかできていないので、まだまだの部分が多々あるんですけど、それでも昨季1年できたという、ちょっとした自信もある。そこを踏まえて、いいものを、もっとつくっていけるようにしたいなと思っています。
――やはり昨季の経験というのは、自身の中で大きかったですか。
坂倉 そうですね。やっているときは気が気じゃないというか、結構しんどい思いもありました。だけど、終わってみると、やっぱりいい経験ができたなと思います。これからもたくさん、いろいろな経験をすると思うので、全部を自分のものにして、どんどん前に向かっていければいいんじゃないのかなと。
――どのあたりがしんどかったですか。時期的なところですか。
坂倉 開幕も4連敗スタートでしたし、そうですね……いろいろありましたね。キャッチャーでkg試合以上に出るというのが初めてだったので、体的にもそうですし、本当にいろいろなところでチクチクチクチク、苦しくて悔しい思いもしていました。
――やはり負けたときの責任感は、キャッチャーは独特のものがあるのではないかと思います。
坂倉 一番ボールに携わっていますし・・・
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