4年目でのキャリアハイ。それだけ聞けば順調とも思える成績だ。だが一時はボールを投げられなくなり、野球が楽しくないと感じるほどの苦しみを味わった。その日々を乗り越え目の前の課題と向き合い、自分を高めたことで作り上げた土台。確かな足跡があるからこそ、ブレない。唯一無二のリリーバーを目指す。 取材・構成=阿部ちはる 写真=佐藤博之、BBM 試行錯誤で手にした手応え
2025年は大きな変貌を遂げ飛躍の1年となった。打者に対して横を向き、体をひねって投げる投球フォームに変更。『自分としても投げやすかったですし、バッターも嫌がっているように感じた』と手応えを得ると同時にコントロールも安定し自信を持ってマウンドに上がれるように。敗戦処理でスタートした昨季だが、終盤には勝利に欠かせない存在となり、自身初の一軍完走。手にした信頼を守り抜くための大事なシーズンが始まる。 ――初めて1年間一軍で投げ抜き、オフの疲労感も大きかったのではないでしょうか。
西垣 いや、オフも春季キャンプでも疲労感は特に感じてはいないです。ただ、シーズンに入ってから前年の疲労がくるという話も聞いたことがあるので、まだ未知な部分はあるのかなと思いますね。
――昨季はチーム最多の63試合に登板するなどキャリアハイをマークしました。得られたことも多かったと思います。
西垣 充実感はありましたし、できるようになったこともたくさんありました。ただ9月後半くらいから気持ち的にきつくなってきたなと感じる部分もあり、体だけではなく心の体力というのがもう少しないと、最後までやり切れないのだと痛感しました。体がきつくなっていく中でも『よし、もう一回』と気持ちを入れ直すことが、シーズン終盤になったときにはなかなか難しかったですね。
――9月26日の
ソフトバンク戦(楽天モバイル)で2失点し、昨季唯一の敗戦投手となりました。そこが心の体力を感じるきっかけになったのでしょうか?
西垣 正直、その試合はいいメンタル状況ではなかった部分があって、マウンドに上がる前から試合に入れていないなと感じていました。なので打たれたときに『やっぱりそうだよな』と。最後まで気持ちの部分をコントロールできるようにならないと1年間戦い抜けないなと感じましたし、CS争いが最終戦まで続いていたらどうなっていたのかと不安にもなりましたね。
――そういった課題も含めオフはどのようなことに取り組んできたのでしょうか。
西垣 心の体力に関しては答えはないと思いますので、こういう経験ができたというところで、今後に生かしていきたいと思っています。また昨季できるようになったことを続けていくこと、昨季の状態をベースとして定着させていくことが課題かなと思っているので技術面で何かを変えることはせず、体を正すトレーニングを取り入れました。僕の中では中学生くらいのときが一番体が動かしやすかったなと感じているんです。体も軽いし、何も考えずに自然と体を扱えていた。ですが高校、大学と進むにつれてだんだんバランスが崩れていったというか。原因はいろいろあると思いますが、新しいトレーニング法やウエート・トレーニングなどで体も変化していく中でバランスが悪くなっていき、体に不調が出てきたのかなと感じるようになったんです。
――若いころにできていたことが年を重ねてできなくなることは誰にでもあることですよね。
西垣 そうなんです。それと同じようなことなのかなと。そもそも人間の体は野球をするための体ではないので・・・
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