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あの日、あのとき、あの場所で 球界の記念日にタイムスリップ

<1959年6月25日>プロ野球が「国民的娯楽」に晴れて認められた日。あの天覧試合の歴史的意義

 

1959年6月25日の後楽園球場における巨人阪神[当時大阪]11回戦は、プロ野球公式戦としては唯一の天覧試合だ


職業野球が発展し、「機」は熟した


 後楽園球場支配人の吉井滋はその日、部下に徹底した掃除を命じた。「ゲスト」が通る廊下と階段は念入りに磨かれた。磨かれ過ぎた。下見に来た人間からこれでは滑って危ないと指摘されたほどで、吉井は慌てて滑り止めにロジンを撒いた。

 1959年6月25日。後楽園球場では巨人対阪神(当時大阪)の11回戦が行われた。この試合は、通常「天覧試合」と呼ばれる。試合開始5分前の午後6時55分、200万円かけて改装された貴賓室に入ったその日の「ゲスト」が昭和天皇・皇后両陛下だったからである。陛下はこれまでアマチュア野球をご覧になったことはあったが、プロ野球は初めてだった。

 きっかけは陛下がナイターにご興味を持たれたことによる。解説役を務める中沢不二雄パ・リーグ会長は、数日前からのどのためにタバコを止め、前日は汗だくになりながら予行練習を行ったという。両軍の選手たちは、球審の号令とともに両陛下に向かって脱帽、最敬礼をした。彼らのほとんどが戦前に・・・

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