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あの日、あのとき、あの場所で 球界の記念日にタイムスリップ

<1950年11月10日>新興球団・松竹ロビンスがセ・リーグ初代優勝を決めるも、ここから運命が暗転……

 

プロ野球2リーグ分立の初年度である1950年のセ・リーグのペナントレースを制したのは巨人でも阪神でも中日でもなく、松竹ロビンスだった


トリプルスリーに161打点、39勝投手


 プロ野球の歴史に興味を抱いた人が、これまでセ・リーグではどんなチームが優勝したのだろうと思い、歴代優勝チームを調べたとする。リストの1番目、すなわちセ・リーグが誕生した1950年の欄に記された「松竹ロビンス」というなじみのない名前を見て、その人は違和感を持つかもしれない。しかもその球団名は、歴代優勝リストには二度と登場しないのだ。それもそのはずで、このチームが存在したのは実質3年間に過ぎなかった。栄えある初代リーグ覇者でありながら、すぐにその姿を消した幻の球団。それが松竹ロビンスである。

 松竹という名称だが、これは現在でいうネーミングライツに近く、親会社は前年までの大陽ロビンス時代から引き続き繊維商社の田村駒であった。オーナーは田村駒治郎。人並外れた巨体にたがわず押しの強いワンマン経営者で、球界の名物男だった。

 大陽は1リーグ制最後の年となった49年は最下位に沈んだ弱小チームであったが、松竹に名を改めた50年になると史上屈指の強豪に生まれ変わった。まだ統一契約書がなく選手の引き抜きが横行していた時代・・・

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