週刊ベースボールONLINE

宮城大弥の一生百錬 僕が僕であるために

宮城大弥コラム 第1回 プロへの旅立ち「勝負は一回だけ。僕が僕の力を発揮するには、ずっと鍛錬を積み続ける必要がある」

 

U-18で少々の手応えを得た僕


出合った言葉


 今日も同じ練習か。昨日と何が違うのだろう――。興南高校時代の僕は正直、そんなことを思っていました。意識が変わったのが高校1年の夏、甲子園で投げてから。野球を始めてから、どこか決められたように『将来の夢はプロ野球選手』と言い続けてきましたが、夢が現実的な目標に変わったのは1年夏に甲子園に出て、1回戦で智弁和歌山高に逆転負けしたことが大きかったんです。打たれたこともそうですが、もっともっとうまくなりたい、もっともっと良いピッチングをしたいと心から思えた。レベルの高い甲子園で、すごいバッターと対戦できたことで、僕の意識は変わっていきました。

 そもそも同じメニューを反復して練習するのは、何も野球だけじゃない。スポーツに限らず、仕事で汗を流す一流の方たちも皆、コツコツと努力を重ね続けるからこそ、周りよりもレベルを上げていける。スポーツで言えば、何度も何度も同じ練習を繰り返し、自分自身を鍛えていくわけです。今では、この考えを痛いほど理解できていますが、高校1年の僕はそうではなかったんですよね。そんなときに出合ったのが、今でも座右の銘にしている次の言葉なんです。

『一生百錬』

 人生は常に鍛錬をし続けるという意味の言葉。練習をして試合をし、また練習をする――。試合で得た課題を克服するために練習をするけど、勝負は一回だけ。大事な場面で、自分の力を発揮することが何より大事。だからこそ、僕が僕の力を発揮するには、ずっと鍛錬を積み続ける必要がある。そう自分自身に言い聞かせる言葉でもあるんですよね。

 緊張する大一番でも、僕が僕であるために、僕が僕の力を発揮するためには、日々の積み重ねしかない。今もそんな思いで毎日を過ごしていますが、僕が僕でいることができるのは、いろんな出来事があったから。今回からコラムを担当させていただく中で、まだまだ“プロ4年目の若造”ですが、僕なりの思いと経験を伝えられればと思います。

『プロになりたい』から『プロになる』。意識の変化をスタート地点として振り返っていく中で『プロになれる』と、手応えを感じたのが、次の変化だと思います。正確には『なれる』という確信はなく、『なれるんじゃないか』という小さな手応えなんですが、そう感じたのが・・・

この続きはプレミアムサービス
登録でご覧になれます。

まずは体験!登録後7日間無料

登録すると、2万本以上のすべての特集・インタビュー・コラムが読み放題となります。

宮城大弥の一生百錬 僕が僕であるために

宮城大弥の一生百錬 僕が僕であるために

座右の銘は「一生百錬」。オリックスの若き先発左腕が振り返る野球人生とこれから――。

関連情報

新着 野球コラム

アクセス数ランキング

注目数ランキング