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宮城大弥の一生百錬 僕が僕であるために

宮城大弥コラム 第7回 短期決戦「冷静に一歩引けるのは余裕があるからこそ。日本シリーズで自分に足りない部分を再確認しました」

 

大山[大山悠輔]さん[写真上]、ノイジー選手[下]に対する投球。焦りから生まれた力みが、避けたかった最悪のケースとなってしまいました


『押し・引き』こそ余裕


 前回、コラムの特別版として山本由伸さんについてのお話をさせていただきましたが、連載第6回(12月4日号)の最後に、週べ編集部の方に由伸さんを上回る今季の成績があることを教えていただいた話をして終わっていました。その数字は完封数。もちろん失点することなくチームの勝利に直結した数字なのでうれしい気持ちはあります。でも『由伸さんを上回った』と思えないのは、1試合の数字だから。シーズンを通した積み重ねの数字が、先発ローテとして投げていく中では大事なこと。好不調をなくし、安定した成績を残していきたいんです。

 ただ『短期決戦』となれば、少し話が変わります。今年もCS、日本シリーズの計3試合で先発させていただきましたが、やっぱり大事になるのは流れを持っていかれないこと。言葉どおり、短い期間で決着がつく短期決戦では、1試合の中での流れが大事で、勢いも大切になる。今年のCSの相手はロッテさんでしたが、ソフトバンクさんとのファーストステージを勝ち抜き、それも第3戦で劇的なサヨナラ勝ちで上がってきました。勢いに乗ったロッテさんは怖いぞ、と思っていたんです。

 相手にそう思わせることもできるのが、勢いであり流れ。だから、試合では流れを持っていかれないようにすることを大事にしています。そもそも流れがどちらにもないフラットな状況であれば、オリックスは強い。だからリーグ優勝ができたと思っています。となれば、勢いを持ってこられれば、より強いはず。だからこそ相手に流れや勢いを与えないことが大事なんです。

 受け身になってはダメ。攻める気持ちを忘れない。ピッチングは“守備”のイニングですが・・・

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宮城大弥の一生百錬 僕が僕であるために

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座右の銘は「一生百錬」。オリックスの若き先発左腕が振り返る野球人生とこれから――。

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