佐々木朗希の加入、開幕戦を東京ドームで開催するなどかつてないほど日本で注目を集めたドジャース。選手の離脱が目立ったが、大谷翔平、山本由伸は主力として1年間チームをけん引し、優勝に貢献した。日本人選手を中心にドジャースの2025年シーズンを振り返る。 文責=メジャーリーグ編集部 写真=Getty Images
※情報・成績は2025年シーズン終了時点、年齢は2025年満年齢 
左から佐々木朗希、大谷翔平、キム・ヘソン、山本由伸らアジア出身の選手で記念撮影
現地時間9月25日の敵地ダイヤモンドバックス戦。ドジャースはナ・リーグ西地区4連覇の瞬間を迎えた。7月3日に9ゲーム差もあったパドレスに猛追を受け、8月には一時2位に転落。激しいデッドヒートの末、再び頂点に立った。就任10年目で9度目の地区制覇となったロバーツ監督は「今までの中でも最も厳しい道のりだったように思える。試練を乗り越え、チームは強くなっていった」と振り返り、激闘を戦い抜いた選手たちを誇らしげに見つめた。
春先から苦難の連続だった。開幕前に史上最強ともうたわれた先発投手陣に故障者が続出。4月上旬に先発左腕スネルが戦列を離れると、同下旬には先発右腕グラスノーが負傷者リスト(IL)に入った。5月中旬には佐々木も右肩のケガで離脱。ブルペンデーなどで穴を埋めてしのぐ日々が続いた。野手陣も4月頭にフリーマンが自宅の風呂場で足を滑らせ、右足首痛によりIL入り。5月はエドマンやテオスカー・
ヘルナンデスも故障を訴え、夏場にはマンシーが守備中に左膝を負傷した。
苦境で一人ひとりが役割を果たした。先発陣では山本がただ一人、ローテーションを1年間守り、メジャー2年目で初めて規定投球回数に到達。12勝8敗、防御率2.49、201奪三振の堂々たる成績を残した。昨季は右肩痛で長期離脱を経験していただけに「今年は1年戦力としてできたので、すごく良かったと思う。たくさん働けた分、最高ですね。みんなで成し遂げたことなので、すごくうれしく思う」と謙虚に喜びを語った。大谷は、後輩の山本を「チームのエースだと思っている」とたたえた。
その大谷が打者ではチーム最多出場。主に一番打者を務め、2年連続50本塁打をはじめとした圧巻の打撃で今季も打線をけん引した。投手に復帰しながらも徹底した自己管理で1年間プレーを続けて地区優勝に貢献し「みんな、ここまで目指してやってきた。最後にしっかり決められて良かったなと思う」と美酒でびしょびしょになりながら高揚した表情で語った。
シーズン最終盤、不安定だった救援陣では配置転換された佐々木が異彩を放った。9月24日のダイヤモンドバックス戦で初めて救援登板して1回無失点、2奪三振。同26日のマリナーズ戦でもア・リーグ本塁打トップのローリーから3球三振を奪うなど1回無失点と好投した。急造ではあるが、中継ぎとしてポストシーズンのメンバー入りの切符をつかんだ。「いい結果が出ているので、ポジティブに捉えていきたい。いい準備ができたらと思う」と意気込みを口にした。
チームには先発陣にスネルやグラスノーが復帰し、野手陣もほぼフルメンバーが復帰した。ポストシーズンを前に巨大戦力が戻り、ワールド・シリーズ連覇に向けて準備は整った。投打で主力を担う大谷は「毎年だが、離脱者もいたり、自分も含めていい時期がなかったりという中で・・・
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