マウンドで、打席で、黒田博樹は仁王立ちしていた。9月4日、甲子園での阪神戦。4位だった広島は、負ければクライマックスシリーズ進出の可能性が完全に消滅する試合に臨んでいた。まさしく勝てば天国、負ければ地獄。先発を託された40歳は、気迫を前面に出して立ちはだかった。「いつもと変わらないプレッシャーと緊張…