プロ19年目のキャリアを送る黒田博樹。今年で40歳となったが、メジャー・リーグでの経験も糧にして進化は続いている。大きな期待を背負い、それに応え続けてきた背番号15を支える広島の松原慶直チーフトレーナーに、その肉体、精神の有り方を聞いた。 取材・構成=菊池仁志、写真=前島進 揺るがない覚悟が40歳の肉体を支えている
プロ野球では現在、40歳前後でも第一線で活躍する選手が珍しくありません。私は04年から広島でトレーナーとして働いていますが、そのころと比べても選手寿命は延びています。当時は活躍している選手でも30~35歳で引退を決断する選手が多かったものです。
年齢を重ねるにつれて、関節可動域は必ず狭くなっていきます。関節が硬くなるということは、それに伴い伸縮する筋肉の活動に制限が加わるということです。そういう変化が最初に見られるようになるのが、20代後半だと感じます。そこでその変化に気付き、イメージと違う自分を認識して、プレースタイルやフィジカルをマイナーチェンジできた選手が35歳を超えても活躍できているのではないでしょうか。
40歳近くになって活躍している選手で体に興味がまったくないという選手は皆無でしょうが、それ以前の20代後半からの取り組みが大事だと思わされます。長く活躍するには若いころからのシビアでストイックな取り組みが必要で、黒田選手はそういう選手の代表だと思います。
肉体的な部分ばかりではなく、メンタルのコントロールができることもプロの世界で長くプレーするには必要な資質です。まれなケースはあるにしても、体力、技術、精神が伴わなければ結果は出し続けられません。体でメンタルを保つか、メンタルで体を引き上げるか、タイプは分かれますが、精神の成熟はプロに欠かせない要素だと思います。
その点で黒田選手本人も口にしますが・・・
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