3年ぶりに日本球界に復帰した
中島裕之が新天地・
オリックスでスタートを切った。宮崎春季キャンプではケガすることなく順調に調整を行い、実戦にも出場した。「開幕までもう少し時間はあるけど、ここまでは順調にきていると思います。徐々にペースも上がっていく」。久しぶりに味わう日本流のキャンプにも充実感を漂わせていた。
アスレチックス時代の2年間はマイナー暮らしが続いた。三塁、二塁、一塁と不慣れなポジションを守ることが多かったが、今キャンプ初日の守備位置は遊撃手。
西武時代にゴールデングラブ賞を3度獲得した定位置からのスタートに「あぁ、ショートなんやって感じ。特にこのポジションじゃないと嫌というのはないけどね」と、笑顔を見せた。
森脇監督もポテンシャルの高さを感じ取っている。連日のノックでは遊撃以外にも三塁、一塁と複数ポジションを守らせた。「今年のウチの武器の一つ。中島だけでなく、さまざまな場所を守ることができるのは攻撃のバリエーションも増えることになる」。新戦力の小谷野には捕手以外の内野全ポジションを守らせ、ヘルマン、安達には二塁の守備練習を行わせた。
西武時代の勝負強い打撃も健在だ。宮崎キャンプに出場した全3試合で安打を放った。2月25日の
楽天戦(宮崎SOKKENスタジアム)では復帰後初打点も記録した。3回無死三塁で迎えた第2打席で中前適時打を放ち「初めて得点圏で打席に立ったから。(走者を)かえそうと思った。毎日ヒットが1本出ればいいよね」と手応えを口にしている。大型補強の中心選手・中島。1996年以来のリーグ制覇はこの男にかかっている。