侍ジャパン・大学代表は今夏、大イベントがある。「大学生の五輪」と言われる、第28回ユニバーシアード競技大会(韓国・光州)へ出場。その一次登録31人の捕手3人のうちの一人が、この強肩選手だ。守りに加えて、飛距離を追い求め続けている打撃も、大きく成長している。 取材・文=大平明 持って生まれた身体能力とディフェンスは大学随一
昨秋の明治神宮大会への出場権を懸けた、昨秋の横浜市長杯争奪・第10回関東地区大学野球選手権で一躍、注目を集めた選手がいる。城西国際大の捕手・
宇佐見真吾だ。
その魅力は何といっても肩の強さ。181センチ87キロの恵まれた体格から遠投は110メートルを投げ、さらに二塁へのスローイングタイムのベストは驚きの1.81秒。プロでもトップクラスと言える数字を残している。
「自分でも肩の強さはアピールポイントだと思っています。でも、所属している千葉県大学リーグでは、盗塁を仕掛けてくるチームがほとんどないんですよね。だから、関東選手権やオープン戦のときは、一塁にランナーが出たら、『走ってこないかな』と思っていたりします」
キャッチャーとしての能力の高さは城西国際大・田中成明チーフコーチも認めるところだ。早大では遊撃手を務め、母校・三本松高(香川)を甲子園へ導いたこともある指導者の言葉には、説得力がある。
「捕ってから投げるまでが速いし、コントロールも良い。少し体勢を崩していても、それなりの送球ができる。佐藤清監督は『しっかり上から投げて、縦回転のキレイな伸びる球を投げなさい』と言うくらいで、特別な練習や細かい指示は与えていないんですが、入部当初からある程度高いレベルでできていましたね。また、体が柔らかく、ケガをしないところも長所だと思います」
その一方で、注文がつけられているのがバッテリー間でしっかりコミュニケーションを取ること。
「監督からは『ピッチャーとよく会話をしろ』と言われます。昨秋までを振り返ってみると、投手陣にどうしてほしいのかを僕の方から求めることをやっていなかったと思うんです。でも、ずっとマスクをかぶらせてもらっているんですから『自分の意志をきちんと伝えながら、試合を進めていかなくちゃいけないんだ』と、今は考えています」
まだまだ、しゃべるのは苦手だそうだが、捕手の役割を果たす心構えはできているようだ。

▲昨年12月の大学日本代表候補合宿でのアピールが実り、一次登録31人に名を連ねた[写真=太田裕史]
長打を狙う打撃スタイルを自分のものに
大学2年の夏、宇佐見は大きな転換期を迎える・・・
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