
今季は7月22日試合終了時点で38試合2勝2敗23S8H投球回36 2/3防御率1.72
前半戦を首位で折り返したDeNAの守護神が、90年に中日・与田剛がマークした新人セーブ記録に挑んでいる。25年ぶりの記録更新の可能性を、両者の投球データから検証する。 写真=BBM 追い込んだら勝負あり!空振り奪三振率の高さが強み
前半戦の締めくくりにふさわしかった。7月15日の
巨人戦(横浜)の9回、
山崎康晃は強力打線を3人で片付けた。同点で登板、セーブがつかなくても関係ない。いつものように抑え、味方のサヨナラ勝ちを呼んだ。「うれしい。最高です。必ず逆転してくれると信じていました。たくさん苦労したけど、休み明けもしっかり頑張ります」。チームは日本一に輝いた1998年以来の首位ターン。お立ち台では力強くファンに約束した。
開幕からフル回転し、不動の守護神として地位を確立した。5月8日の巨人戦(横浜)で9試合連続セーブ、27日の
オリックス戦(横浜)では月間10セーブに乗せた。いずれもプロ野球新人記録。ここまで
呉昇桓(
阪神)に次ぐ、セ・リーグ2位の23セーブを挙げている。
ルーキーのストッパーとして思い浮かぶのが与田剛(中日)。90年に50試合に登板し、新人で史上最多となる31セーブをマークした右腕だ。同じ亜細亜大OBという共通点のある2人。25年ぶりの記録更新は、視界にとらえたと言っていいはずだ。
■新人セーブ数上位 1990年 与田剛(中)31 2004年 三瀬幸司(ダ)28 2003年 永川勝浩(広)25 2015年 山崎康晃(De) 23 2011年 牧田和久(西)22 2014年 三上朋也(De)21 山崎康の大きな武器はツーシームだ。フォークのように鋭く落ち、バットに当てさせない決め球。36回2/3で49奪三振と驚異的な奪三振率はもちろん、注目すべきは2ストライク後の被打率だろう。被本塁打はもちろんゼロで、長打も二塁打が2本だけ。81打数7安打。1割も打たれていないことが安定感を物語っている。
「ツーシームは自分の中で一番、頼りになる球種だと思う。初めはバットの芯を外すことが狙いでしたけど……」。右打者のヒザ元へ食い込み、左打者はシンカー気味に鋭く沈む軌道。今なお進化を続けており、大崩れすることは考えにくい。
月別成績に目を移せば、最も悪かったのが4月。計11回1/3で防御率3.97だった。これも4月1日の
広島戦(横浜)と21日の阪神戦(横浜)でそれぞれ3失点、2失点と打ち込まれただけで、不調が長引いたものではない。事実、5月以降は23試合で2失点しかしておらず、本人も「抑えることもあれば打たれることもある。その試合で何をどう学んで、これからの自分の力に変えていくかが大事ですから」と強調している・・・
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