気になる男たちの「イマ」徹底追跡した今回の特集。昨年秋のドラフトを騒がせた男・安楽智大の現在地に迫った独占インタビューをお届けする。 取材・構成:松井進作 写真:矢野寿明、BBM 
昨秋のドラフトでヤクルトと競合の末、楽天に入団した安楽智大。9月13日現在で二軍での成績は17試合3勝1敗0H0S
未来だけを見据えて静かに牙を研ぐ
同じ高卒ルーキーの西武・高橋光成、巨人・岡本和真らが一軍の舞台で華々しくスポットライトを浴びる中、安楽智大は二軍で孤独な戦いを強いられていた。高校時代に痛めた右ヒジは完治したものの、開幕前の練習中に右足首をねんざするアクシデントに見舞われて出遅れ。ここまで一軍登板はおろか、ファームでも満足にピッチングすらできないもどかしい日々も味わった。悔しさ、葛藤、焦り……さまざまな感情が胸にうずまく中で18歳の右腕はいま何を思うのか。その胸の内に迫った。 ──プロ1年目のシーズンも終盤戦に入りました。ここまでを率直に振り返ってみていかがですか。
安楽 すごく時間の流れが早く感じますし、同時に自分の中でしっくりきてない状況がずっと続いているので……いまはすごく悩んでいるというのが本音ですね。
──それは技術面で?
安楽 そうです。自分の納得いくボールがまだまだ投げられていないので、その部分でずっと試行錯誤しています。フォームも振りかぶって投げてみたり、セットポジションにしてみたり。足の上げ方、踏み出し方などもいろいろ試しながらやってはいるのですが、どうしてもこれだというものに辿り着けなくて。毎日もがいている感じです。
──そのような状況になってしまった要因は何だったのでしょう。
安楽 理由を挙げていけばいろいろあると思うのですが、一番は3月に右足首をねんざして満足に投げられない時期があったりしたことも大きかったのかなと思います。高校時代に痛めた右ヒジはまったく問題ないのですが、全体のバランスがそこで崩れてしまったのか、いまは自分の力がうまくボールに伝わってくれてないので。周囲のコーチや先輩たちからもいろいろとアドバイスをもらいながら、何とか突破口を探しているというのが現状です。
──もがき苦しみながら課題を克服している半面、この数カ月でレベルアップできているなと思えるところはどこですか。
安楽 変化球の精度ですかね。特にプロに入ってから本格的に投げ始めたフォークボールはだいぶ試合でも使えるようになってきましたし、そこに関しては手応えも感じ始めています・・・
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