日本ハム監督時代は絶妙なかじ取りで常勝球団を作り上げた梨田昌孝監督。近鉄の監督でもあった同氏は2004年の球界再編で生まれた楽天をどう立て直していくのか。5年ぶりの現場復帰で逆襲に燃える新指揮官の戦いを追った。 写真=山田一仁 梨田昌孝新監督が掲げるチーム構想
・12球団最低だった攻撃力の改善
・天然芝に対応できる守備力強化
・選手たちの意識改革
選手の自己改革を促す指導法
澄んだ空気の中に、歴史の息吹を感じる街並み。江戸時代の建造物が残る「倉敷美観地区」。ここからほど近い「マスカットスタジアム」が楽天の秋季キャンプの地だ。2年連続最下位からの再出発。梨田昌孝新監督の下、若手中心の33選手が11月2日から成長と飛躍へのきっかけをつかもうと厳しい練習をスタートさせた。
「ケンカするなら負けたくない。楽しく練習するけど、苦しい中でも明るく。みんなで1つになって、それがファンの皆さんが見ていても魅力的なチームになると思います」
梨田監督はキャンプスタート前日の11月1日、宿舎での全体ミーティングでそう言って所信表明した。2年前のリーグ優勝、日本一経験者は
銀次、
岡島豪郎、
聖澤諒らの6選手のみ。レギュラー、一軍投手の戦力に届かなかった選手が切磋琢磨する14日間が始まった。
テーマは
(1)野手は基本練習の徹底と自己の新発見 (2)投手は投げ込みで体力強化 の2本柱を秋季キャンプの大きなテーマに掲げている。
「やったことのない打ち方をさせてみる。八重樫(幸雄)さんであったり、近藤(和彦)さんのてんびん打法、私(梨田監督)のこんにゃく打法とかね。目からウロコ(が落ちるようないい感触を)を感じてもらいたい」
可能性を広げる“引き出し”を増やしてもらいたい。押しつけではなく、いくつもの方法論を示すことで今までの殻を破ってほしい。それが新指揮官の狙いだ。

若手成長株の内田に自身の「こんにゃく打法」を身ぶり手ぶりで伝授する梨田監督。選手たちと積極的なコミュニケーションを図りながら独自のカラーを浸透させていく
野手では早速、キャンプ初日の2日に2年目の
内田靖人が直接指導を受けた・・・
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