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柳田悠岐が語るトリプルスリーを掲げる真意

 

昨年、実現できなかった「トリプルスリー」を今季の目標に掲げるソフトバンクの若きスラッガー・柳田悠岐。随所にレベルアップを印象付けながらシーズンを疾走している。三番という重要な打順に固定され、チームを勢いづける働きも特筆すべきもの。日本一を目指すチームの原動力となっている若鷹の心の内をのぞく。
※成績は8月2日時点
取材・構成=菊池仁志 写真=湯浅芳昭

求めるのはチームの勝利のみ


 トリプルスリーは80年近いプロ野球史の中で8名しか達成者がいない大記録。スピードとパワーを兼ね備えたパーフェクトなプレーヤーでなければたどり着くことができない境地に果敢に挑む若鷹がいる。8月2日時点で打率.360、21本塁打、20盗塁はいずれも目標を上回る好ペース。02年、松井稼頭央(当時西武、現楽天)が達成して以来、13年ぶりの快挙へ視界は明るいが、柳田悠岐が「トリプルスリー」を語る真意は別のところにある。

「考えるのはトリプルスリーをやるには、どういう取り組みが必要かということ」と語る柳田



──昨年達成できなかった「トリプルスリー」を目標に臨むシーズンです。ここまで順調に数字を積み上げていますが、手応えはいかがですか。

柳田 その数字を目標にはやっていますけど、それを達成するためにプレーするんじゃありません。常々、考えているのはトリプルスリーができるようなプレーヤーになるにはどういう取り組みをすればいいのかということです。だから、1打席1打席のバッティングの内容を振り返るときとか、日々の試合が終わった後のトレーニングとか、そういうところでは意識しますけど、目先の数字はあんまり意識するものじゃないですね。

──数字はついてくるもの。

柳田 そうですね。自分がそういう選手になれたときに、達成できるものなのかなって思います。

──現状でトリプルスリーにふさわしい選手になれていると思いますか。

柳田 まだまだっす。ホームランも盗塁も精度が低いですから、数字がついてこないですよね。

──盗塁では、4月12日から17日にかけて3度続けて二盗に失敗しました。昨季までは連続での失敗はありませんでした。

柳田 ハイ。ん〜なんでやろう。相手バッテリーがあることですからね。ピッチャーもクイック速いし、キャッチャーのスローイングの精度も高いし、そういうところでアウトになっているんやろうと思っていましたけど、ここからやなと切り替えてやりました。

──ただ、次に盗塁を企てるのが5月2日のオリックス戦(京セラドーム)と、その間、10試合空きました。

柳田 やっぱ、セーフにならないとチーム的にも迷惑をかけますし、そういう部分はありましたけど、まあしゃあないなって。でも次のスタートをためらわせたところも多少はあると思うんですよね。ただ、そんなもんですよ。

──今季は三番に固定されています。後ろには内川聖一選手、李大浩選手、松田宣浩選手と好打者が続くこともあり、それも盗塁を仕掛けることを制約させているように見えます。

柳田 するなと言われているようなことはないっすよ・・・

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