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WBSC世界野球プレミア12

出場最終ロースター28選手が決定、今季の働きに重きを置いた選出

 

「目標は世界一」と小久保裕紀監督



11月に日本と台湾の共催で初開催される『WBSC世界野球プレミア12』に出場する最終ロースター28選手が10月9日、発表された。小久保ジャパンの申し子とも言われていた広島菊池涼介がメンバー外となるなど、侍実績にとらわれず、今季の働きに重きを置いた選出となった
写真=小山真司、BBM



 MLBがメジャー契約選手(40人枠)の派遣を見送ったため、やはり、オールNPBでのメンバー編成となった。しかし、小久保裕紀監督が選考理由の大きな柱に「今シーズンの活躍」を挙げたように、2015年のタイトルホルダー(主要16部門、計10人)および投打の各部門上位者がズラリ。いま、もっとも働ける28選手であることに疑いの余地はない。

二遊間のバックアップが期待される日本ハム中島卓也が菊池涼介、今宮健太を抑えて初選出



 13年秋の小久保ジャパン立ち上げから常に声を掛け、代表不動の二塁手に成長を遂げた菊池涼介[広島]を成績不振のためにメンバー外(45人ロースターには登録)としたところに、常々「最強ジャパンの編成」を公言してきた指揮官の決意が見てとれる。

 平均年齢26.4歳と若いチームではあるが、22選手に小久保ジャパン招集歴があり、昨秋の日米野球などで積極的に起用、国際試合で個人の成長を促しつつ、組織力を高めてきたことは強みだ。

 これまでの台湾遠征、日米野球、欧州代表戦は、あくまでも親善試合で、初めてのチャンピオンシップは、相手の本気度、重圧もケタ違いではある。しかし、この問題も、13年のWBCで主戦を務めた前田健太に「エース」を、2度のWBCを知る内川聖一に「チームリーダー」を託すことで解決を試みるなど、抜かりはない。

 投手起用について、小久保監督は「予選(グループリーグ)5試合で先発5人」を想定していることを明かした。投手13人のうち9人が所属球団でローテーション投手と人選には事欠かないが、昨秋の日米野球でもスターターを託された前田、則本昂大大谷翔平藤浪晋太郎に、侍ジャパン初選出の菅野智之を加えた5人が濃厚か。貴重な左腕・大野雄大の先発起用には「状態を見て」と含みを持たせたが、西勇輝武田翔太牧田和久はジャパンでも中継ぎを経験済み。抑えは初選出の増井浩俊澤村拓一松井裕樹の3枚を併用で、盤石の体制と言える。

投手陣では大学時代にジャパン経験豊富な巨人・菅野智之が初選出



 一方の攻撃陣は四番打者の行方に注目。指揮官も「就任してから中田翔と言ってきました。ただ、中村剛也が入っています」と、今季のパ本塁打&打点の2冠王の名を挙げる。ただし、中村剛は背中の痛みを抱えることから体調面を考慮に入れながらの起用が必要で、ポジションの問題からも中田、中村剛、内川、筒香嘉智の4人で一塁、左翼、DHを使い分ける形となりそう。

西武・中村剛也はプロ入り後に小久保ジャパン経験なし。もちろん四番候補



 小久保監督が「打線の中心」と定めるトリプルスリー・山田哲人柳田悠岐の打順については「決めかねている」と言うが、得点圏打率.413を誇る柳田を三番に据えると予想。出塁率.416で34盗塁の山田を一番、同.419でシーズン216安打の秋山翔吾を二番に据えれば、指揮官が脳裏に描く「ランナーが出たらただ送るではなく、幅広い作戦」が可能ではないか。

 06年、09年のWBCでは投手を中心にしたスモール・ボールで世界を連覇した。今大会でも投手力を全面に押し出しての「世界一」を宣言するが、レギュラーシーズンで記録を次々に打ちたてた野手たちが、世界を舞台にどのような攻撃を見せてくれるのか、注目したい。



※名前に色のついた選手は小久保ジャパン初選出
※ 年齢は満年齢

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