開幕戦以前に、オープン戦を初めて一軍メンバーとして戦うことができた。2013年に社会人のNTT西日本から入団。即戦力として大きな期待を集めながらも、調整不足で開幕一軍には間に合わなかった。昨年は、右肩痛で最初から開幕アウトが決まっていた。そして3年目の今季、キャンプ、オープン戦と常に一軍で過ごし、いよいよ待望の開幕メンバー入りへのカウントダウンが始まった。
性格的に、日ごろ決して闘志を表に出すタイプではないが、ドラフト1位入団選手として、開幕一軍入りをいまだ果たせていない悔しさは、誰よりも強い。だが、一方で「待ち遠しいというよりも、もっと時間が欲しいという思いの方が強い」という正直な感情も口にする。オープン戦5試合に登板し(3月19日時点)、5回、打者18人、被安打3、失点0と上々の成績を残しているが、最大の武器である直球が、「まだまだ自分の中で納得いくものではない」と表情は冴えない。ただ、「下が粘れないと同時に、上が先に投げに行っているので、力がうまくボールに伝わらない」と原因が上、下半身のタイミングとバランスだということは理解できており、いかに残りの時間で状態を上げていけるか。
長いシーズンで調子の波は必ずあるものだ。それを考えれば万全の状態ではない中で、「まだマシ」だという変化球を主体に5試合無失点に抑えている事実は、『悪いなりの投球』という投手にとって非常に重要なテーマをクリアしていると、ポジティブにとらえられる。
今季も『勝利の方程式』の一角、セットアッパーとしての起用が濃厚だ。チームの優勝のためにも、剛腕のフル稼働が必要不可欠となるのは間違いない。