プロ野球人生最大のスランプに陥っている
糸井嘉男。「これはアカンでしょ。もっと頑張らないといけない」。開幕から続く打撃不振。浮上のきっかけが見いだせないまま交流戦がスタート。6月2日時点で55試合を消化し、打率は.228、5本塁打、25 打点、6盗塁。6年連続打率3割を継続中、昨年は.331をマークし自身初の首位打者に輝いた男がもがき苦しんでいる。
今季から人生初の主将を務める糸井。優勝を厳命された2015年。並々ならぬ決意を持ってスタートを切った。「大きな背中で引っ張っていく。目標はトリプルスリー」。春季キャンプでは連日、居残り特打を行い、体をいじめ抜いた。3割30本塁打30盗塁を達成するために一番の課題は自己最多が19本の本塁打だ。「難しいからもしれないが、そこ(本塁打)を打てるように」と昨年から通常より重たいボールを打ち込んだ。
誰もが認める努力家。試合前後は球場で居残りマシン相手に打撃練習を繰り返す。自身の打撃に納得できなければ何時間でもバットを振り続ける。それでも結果が出ない。もがき苦しむ姿に福良監督代行も「去年と違って体の状態はいいと思う。アイツは何かのきっかけで一気に調子を上げるから待つしかない」と実績抜群の糸井の巻き返しに期待を込めている。
6月2日の
巨人戦前(東京ドーム)に突然、森脇監督の休養が発表され、重苦しいムードがチームを包んだ。「ビックリした。キャプテンとしてこんな成績やし、責任を感じる。(監督休養は)僕のせいとちゃいますか」。いつもの糸井節は影を潜め自身の不甲斐なさを嘆いた。主将の復活がチームの雰囲気を変えてくれるはずだ。