週刊ベースボールONLINE

オーロラビジョン

ヤクルト 石川雅規投手・レジェンドの背中を追う貪欲なベテラン左腕

  2



 1月22日に36歳の誕生日を迎える。エース左腕として昨季は14年ぶりのリーグ優勝を率いたが、今オフにロマンが抜けたことで、名実ともにチーム最年長になった。「どんなときも、何かキッカケがあるんじゃないか、どこかに落ちているんじゃないかと思ってやっている」

 オフの石川は貪欲だ。11月中から都内のトレーニング施設で体を鍛え上げる一方、技術向上へ何か新しい方法はないか、四方にアンテナを張り巡らせる。いま興味を持っているのは小さな変化のムービングボールの習得だ。「直球と同じ球速でカットしたりシンカーしたら面白い。新たな変化があれば緩急や投球の幅が広がる」

 動画サイトなどで独自に研究。他球団の投手にさまざまな話を聞いたり、野手には打者目線からのアドバイスも求める。

 プロ入り後から、常に理想にしてきたのは昨季限りで現役引退した山本昌氏だ。2010年のオフには自主トレに弟子入りし、以降も背中を追って来た。「目標は1年でも長く投げること。長く現役をやられる方は参考になるし、いろいろなヒントが隠れている」

 新シーズンの目標は「200投球回」。バーネットが抜けたリリーフ陣の負担を減らすため「1回でも打者1人でも多く投げたい」と意気込む。昨季は自身最多タイの13勝を挙げ、14年のプロ生活で11度目となる2ケタ勝利をマークしたが、キャリアハイはまだ先にあると信じている。大きな目標は、05年に阪神・下柳が15勝を挙げ達成した球界最高齢での最多勝(37歳シーズン)の更新だ。衰えぬ闘争心と少年のような好奇心を携え、石川は進化し続ける。

この記事はいかがでしたか?

オーロラビジョン

オーロラビジョン

週刊ベースボール各球団担当による、選手にまつわる読み物。

関連情報

新着 野球コラム

アクセス数ランキング

注目数ランキング