ソフトバンクは3年ぶりに日本シリーズに出場し、日本一に輝いた。チーム最終戦での自力優勝はパ・リーグ4度目でプロ野球史上9度目。それがサヨナラ勝ちだったのはプロ野球初の劇的なシーンであった。一方の巨人はペナントレースでは2位の阪神に7ゲームの大差をつけて優勝したが、クライマックスシリーズではその阪神に敗れた。巨人が優勝しながら日本シリーズ出場を逸するのは2007年に続いて2度目であり、最後は悔しさが残るシーズンとなった。 福岡ソフトバンクホークス
延長戦に弱かったチーム 開幕の
ロッテ3連戦に3連勝でスタートしたソフトバンクは、ペナントレースでは
オリックスとの激しい競り合いとなったが、11年以来のリーグ優勝。1リーグ時代に2度、パ・リーグ16度目で通算18度目の栄冠となった。目立ったのは逆転試合が多かったことである。
▽ソフトバンク 38勝22敗.633
▽
日本ハム 34勝29敗.540
▽オリックス 27勝24敗.529
▽ロッテ 28勝31敗.475
▽
楽天 23勝33敗.411
▽
西武 23勝36敗.390
チーム打率.280は2位のオリックスに2分2厘差をつけるダントツの1位であった。これだけの差をつけたのは1リーグ時代に3度あるが、パ・リーグではダイエー時代の03年に.297で2位のオリックスの.276に2分1厘差をつけて以来2度目だ。
打撃10傑に
柳田悠岐(.317=3位)、
中村晃(.308=4位)、
内川聖一(.307=5位)、
李大浩(.3003、6位)、
長谷川勇也(.3002、7位)と5人もの打者を送り込んだ。パの3割打者は7人だけに打撃でパ・リーグを席巻した14年のソフトバンクであった。
そのソフトバンクにも意外な落とし穴があった。4時間を超す試合に5勝10敗6分けと大きく負け越していたのである。延長戦にも6勝6敗6分けと五分である。
14年のソフトバンクには18試合の延長戦があり、エクストライニングは39回に及んだ。計算上は39イニングあれば、本塁打は大体3~4本は出てもおかしくないところだが、ソフトバンクは延長に入ってからの本塁打はゼロであった。打率にしたところで135打数32安打、打率は.237にしかならない。
14年の延長回に入ってからのソフトバンク打者成績 李大浩は打率.300でチーム最多の19本塁打を打っていたが、延長に入ってからの成績は9打数2安打の打率.222であり、3三振である。1~3回には193打数67安打で.347で4本塁打であり、4~6回には202打数66安打の.327で11本塁打の李が、7~9回は162打数35安打.216で4本塁打。延長戦でも.222と試合終盤になると成績はダウンしている。
中村は1~3回は打率.254で2本、4~6回は.359で2本、7~9回で.335と平均して打っているのに10回以降は16打数4安打で.250だ。なぜ延長に入ると沈黙してしまうのか。

全試合で四番を打った李大浩もゲームの終盤では成績を大きく下げ、課題を残した。15年は克服なるか
カギを握る松坂の存在 チーム打率1位のソフトバンクは防御率も3.25でオリックスに次いで第2位であった。しかし、内容ではオリックスに大きく差をつけられていた。
例えば・・・
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