プロ3年目の今季、初めて春季キャンプでA班に抜擢され、飛躍を期待されたが一軍登板はかなわなかった。しかし、二軍では開幕から先発ローテを守り、12勝を挙げて最多勝のタイトルを獲得。現在、みやざきフェニックス・リーグでも奮闘している。一軍で主力として活躍するため、休んでいる暇はない。 文=上岡真里江、写真=桜井ひとし プロ3年目の今シーズン、イースタン・リーグで12勝を挙げて獲得した「最多勝利投手賞」の栄誉には、誠の一軍への思いの丈が詰まっている。2014年シーズンの9月に2度、一軍マウンドを経験した。いずれも4失点、3回もたずのKO降板となったが、身をもって感じ得た学びは多かった。
そして迎えた今季、プロ3年目にして初めて始動からユニフォームが着られる喜びとともに、A班キャンプ帯同というチャンスを与えられ、モチベーションは最高だった。だが、
岸孝之、
牧田和久ら球界を代表する先輩投手の投球を連日、目の当たりにして、「アウトローへの球威、精度が全然違う」と大きなレベルの差を感じたという。
開幕を前に一軍メンバーから外れたが、さまざまな教訓を肌で感じられたことを糧に、イースタンでは「良い意味で相手を見下して投げることができた」という。特に前半戦は、5月に3戦3勝の活躍を見せるなど、成長をアピール。自他ともに一軍昇格を確信していた。だが、エース・岸の復帰、ルーキー・
佐野泰雄の台頭とタイミングが重なって、一軍選手登録は見送られた。
チャンスは8月にもう一度あった。だが、疲労から状態を落とし、注目の高卒新人・
高橋光成に先を譲った。
「もちろん、最初は『なんで、俺じゃないの?』と思いました。でも、仕方がない部分も多々あるし、受け止めるしかなくて……。正直、立ち直るまでにすごく時間がかかりましたが、チームメートが『気にするなよ』と声をかけてくれたので、救われました」
仲間の言葉によって開き直ることができた。「今の自分にできることは・・・
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