6チームが複数回総当たりで戦った結果、Aチームは9勝2敗、Bチームは10勝5敗となった。ここでは、試合数の違いを無視することにして、Aチームの勝率は、.818。Bチームの勝率は.667。この数字を見ればAはBより、かなり力が上、という結論を下しても間違いではないだろう。
しかし、この数字が東京六大学や東都大学のリーグ戦の成績だとすると話が違ってくる。勝ち点制のリーグ戦では、対戦校から2勝すると勝ち点1となる。ということは、Bチームは勝ち点5、全校から勝ち点を挙げたことで優勝。Aチームは勝ち点は4だったことで優勝を逃す、という結果になる。これが勝ち点制の妙味である。
実際、これによく似た展開のリーグ戦があった。13年春の東京六大学は、法大が好調で、一気に8連勝で勝ち点4。これまでの例では第7週の明大戦で1勝すれば、まず優勝だ。ところが、この春の明大はしぶとい。早慶立に2勝1敗1分、2勝1敗、2勝1敗と粘り強く勝ち点を稼ぎ、東大には連勝で、勝ち点4。法大戦で勝ち点を挙げれば優勝なのだ。
法明1回戦は、法大の勢いが勝り9対5で法大。しかし、ここからが粘りの明大の本領発揮。2回戦を5対5で引き分けると、3、4回戦を6対3、3対2で連勝。勝ち点5の完全Vとなった。ちなみに、東京六大学史上、開幕から9連勝して優勝を逃したのは、この春の法大が初めてだった。
筆者に言わせると「これだから六大学野球はやめられない」のである。だれが考えたのか知らないが、筆者にとって勝ち点制の対抗戦ほど面白いものはないのだ。

今春は専大の優勝(写真)だったが、国学大に連敗しても、他はすべて連勝でV。勝ち点制は山あり谷ありだから面白い[写真=川口洋邦]
しかるに、9月3日、東都大学リーグは、この勝ち点制を捨てることを検討していることを発表したのである・・・
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