高知の高校野球と言えば明徳義塾、高知、高知商が長く「3強時代」を築いてきたが、新興校が浮上してきた。私学の高知中央だ。今春の県大会決勝では絶対王者・明徳から金星を挙げ、春夏通じ初の甲子園も狙える位置にいる。けん引役を誓う左腕が意気込む。 取材・文=高田博史 
父が米国人、母が日本人のハーフ。沖縄で野球の技術を磨いたことが、野球人生で大きなプラスとなっている[写真=高田博史]
ひと冬を越えて体力面にメンタル面も進化
今夏の高知は、高知中央が台風の目になりそうだ。甲子園常連・明徳義塾を下して今春の県大会で優勝。四国大会でも4強に食い込んだ。
左の金城知之、右の楠瀬駿克とともに、速球派左腕と注目を集めているのが背番号10の
日隈ジュリアスだ。184センチの長身から繰り出すストレートは、最速142キロ。父が米国人、母が日本人のハーフだ。
「ストロングポイントは、真っすぐで押すこと。あまり顔には出さないんですけど、負けず嫌いです。今までエースになったことがなくて……。逆に負けたくないので、野球を続けているという感じです」
2年春からベンチ入りしている。昨夏には県大会のマウンドも経験している。だが、昨秋の新チームで初優勝を飾った選抜新人戦は、夏に痛めたヒジの故障のため、ベンチ入りしていなかった。
「このままじゃイカンな、負けていられないな、と思って……。それがいい刺激になりました」
強烈な印象として残っているマウンドは、昨秋の県大会準決勝(対高知)である。2対4で敗れた試合だ。
「8回裏に僕が2点取られて。コントロールが悪くて、試合をつぶしてしまった。自分の中で正直、1カ月くらい・・・
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